酷暑日、内閣支持率低下、クラゲのコラーゲン… スイスのメディアが報じた日本のニュース
スイスの主要報道機関が7月21日~27日に伝えた日本のニュースから、①日本の酷暑、スイス各紙が対策を報道②高市政権の支持率低下と政策課題③クラゲのコラーゲンを応用、の3件を要約して紹介します。
今週のスイスメディアは、記録的な熱波に見舞われているヨーロッパとスイスの状況を背景に、日本の暑さ対策を相次いで報じました。スイスでも日傘を使う人が増えるなど様々な対策が注目される中、スイスメディアは日本の対策を技術革新と社会規範の両面から分析しました。
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日本の酷暑 スイス各紙が対策を報道
スイスの複数メディアが、日本の記録的な猛暑とその対策について、技術革新と働き方・服装の変化という異なる側面から報じました。ドイツ語圏のベルナーツァイトゥングなど複数の日刊紙は移動式冷却キャビンの開発を、オンラインメディアのBlickなどは東京都の職場でのショートパンツ推奨策を取り上げ、日本の暑さ対策を分析しました。
ベルナーツァイトゥングは、建設現場や農業従事者向けに開発された冷却キャビン「ど冷えもんBOX」を紹介。「スイスでも熱波のため、すでに6月の時点で、例年よりも死者数が多い」と自国の状況にも触れつつ、キャビンは「エアコンを設置できない、あるいは使用できない場所のために」開発された装置だと説明。記事は「メーカーによれば、日本中にある飲み物の自動販売機から着想を得たものだ」と、日本独自の社会インフラが技術革新の基盤になったと伝えました。
ドイツ語圏のオンラインニュースサイトnau.chも冷却キャビンを取り上げ、ルツェルン応用科学芸術大学(HSLU)建築技術・エネルギー研究所所長のウルス・ペーター・メンティ氏の発言を紹介。スイスでは「ベッド冷却が『実行可能な選択肢』だ」として、外気をホースでベッドに送り込む冷却システムの研究が進められていると伝えました。
一方、Blickは東京都の「Tokyo Cool Biz」キャンペーン拡大に伴うショートパンツでの勤務を取り上げました。記事は、東京都環境局の渡邊昇氏の「この酷暑に向けて選択肢を提供したい。何を着るか指示しているわけではない。職場のマナーに反せず、他人に失礼にならなければよい」といったコメントを紹介。記事はその一方で、「女性は脚を露出する場合、依然としてストッキングを着用することが多いのに対し、男性は今やショートパンツ着用が推奨されている」と服装の男女間の非対称性を指摘しました。また、「インターネットでは『スネハラ(すね毛ハラスメント)』という言葉も広まった」と報じ、新たな社会現象についても触れました。
高市政権の支持率低下 物価高対策への不満も
読売新聞が24〜26日に実施した全国世論調査で、高市早苗首相の内閣支持率は6月の69%から57%に低下し、昨年10月の内閣発足以来最低となりました。スイスの金融プラットフォーム「cash」は27日に通信社ロイターの記事を掲載し、生活費高騰への対応に対する国民の不満と、高市政権が直面する経済政策上の課題を伝えました。
記事は大和証券のチーフエコノミスト、山本賢二氏のコメントを引用。「支持率は歴代政権と比べれば依然として高く、高市氏の政治的基盤は揺らいでいない」としつつ、「衆議院選挙の勝利によって得た莫大な政治資本が、徐々に減少しているのも事実だ」と指摘しました。
また、政策運営について、記事は、「市場圧力と与党からの抵抗が、政府の決定を遅らせた」と論じ、拡張的な財政・金融政策が債券利回りを押し上げ、円を40年ぶりの安値に下落させた結果、食料品への8%課税引き下げという公約の実行が遅れたと説明しました。
記事はさらに、日本銀行が6月に金利を1%に引き上げ31年ぶりの高水準となったことに触れつつ、「インフレ率がほぼ4年間にわたって2%目標付近で推移しているため、実質的な借入コストはマイナスのままだ」と解説しました。
8月または9月の内閣改造の可能性に関しては、高市氏が内閣改造を通じて、自身のリフレ的政策の方向性についてどのようなメッセージを発信するかが焦点だと報じました。内閣改造を単なる人事刷新ではなく、経済政策の継続か修正かを示すシグナルとの見方も伝えました。
クラゲのコラーゲンを応用?
スペインのバレンシア・カトリック大学環境・海洋科学研究所(IMEDMA R)が主導するプロジェクトが、地中海で混獲されるクラゲからコラーゲンを抽出し、化粧品や再生医療に活用する循環型経済の構築を目指しています。フランス語圏の日刊紙ル・タンがこの取り組みを漁業資源管理と生態系保全の観点から紹介しました。
記事は、近年、一部の海域でクラゲが急増している背景について、「魚類資源の枯渇により、こうした奇妙な生き物が空いた生態学的ニッチを占拠し始めた」と説明。さらに「クラゲはそこで魚卵を捕食し、魚類個体群の回復を妨げる」とも述べています。
クラゲの活用については、「食用としての利用は現実的ではないようだ。確かに中国、日本、韓国ではクラゲを食用にするが、長時間の加工と乾燥処理を経た後に限られる」と説明。そのため、コラーゲン抽出という代替案に注目が集まっていると伝えました。
プロジェクトリーダーのアイナラ・バジェステロス氏は、スペインの漁港で混獲されたクラゲからも高品質のコラーゲンが抽出できることを確認したとしています。海洋性コラーゲンについては、「人獣共通感染症への懸念や宗教的な制限のある消費者に応える」ため代替素材として注目を集めているとし、特に化粧品や再生医療など、高付加価値用途に期待が寄せられていると報じました。
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次回の「スイスメディアが報じた日本のニュース」は8月4日(火)に掲載予定です。
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