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米薬価政策、スイス製薬業界に巨額損失の恐れ 業界試算で2040年までに約1950億フラン

米国の関税政策に関し、スイス製薬業界に数十億フラン規模の損失が生じる恐れがある
米国の関税政策に関し、スイス製薬業界に数十億フラン規模の損失が生じる恐れがある Keystone-SDA

米国の薬価政策がスイスに巨額の損失をもたらす可能性がある。業界の委託調査報告書によると、2040年までの経済損失は約1950億フラン(約18兆8000億円)に達する見込み。患者への影響も不可避という。

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製薬業界団体インターファーマ(Interpharma)の委嘱で、研究機関BAKエコノミクスが米国の医薬品政策がスイスに与える潜在的影響を分析。インターファーマが結果を27日発表した。調査は、米国内への生産能力の移転や米政府による新たな薬価政策に焦点を当て、複数のシナリオを提示している。

研究は、参照となる基準シナリオと、悪影響が段階的に大きくなる3つの代替シナリオを比較した。基準シナリオでは、スイスの製薬業界の成長は大幅に減速。2015〜2025年の年平均成長率が12.8%だったのに対し、2025〜2040年は6.9%に低下する。

経済への影響が最も大きいシナリオでは、2040年までの実質付加価値総額(GVA)の累積損失は、ベースラインの経路と比べて1945億フランに達する。これは、スイスの現在の経済規模の5分の1超(22.4%)に相当する。

著者らは、これは最悪のケースを想定したシナリオではないと強調している。より影響の小さい2つのシナリオでは、損失はそれぞれ270億フラン、777億フランとなる。

間接的影響の主因は、いわゆる最恵国(MFN)薬価アプローチだ。これは、米国が自国の薬価を他の先進国の価格に連動させる仕組みを指す。最大の損失は、米国での価格低下から直接生じるのではない。米国での価格低下による減収を相殺するため、製薬企業が参照価格の設定を避けようと他市場での新薬上市を遅らせたり、上市自体を取りやめたりする可能性があるためだ。「構造的断絶」シナリオにおける損失の約3分の2は、この間接効果によるものだ。

発表によると、このメカニズムはすでに国内に具体的な影響を及ぼしている。インターファーマ会員企業への調査では、2025年1月から2026年6月の間に、22の新規革新的医薬品のうち7製品が、基礎医療保険で償還される全医薬品を収載するスペシャリティーズ・リスト(Specialities List)への収載申請を行わなかったことが分かった。理由は最恵国方式を巡る動向だという。これは同期間の新薬のおよそ3分の1に相当する。

米国はスイス製薬業界にとって最重要市場だ。2025年には、スイスの医薬品輸出の29.3%が米国向けだった。

英語からの翻訳・校正:宇田薫

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