スイス連邦統計局が18日発表した統計によると、スイス国内に存在する城や教会、橋、彫像などの史跡は2016年で27万2千カ所。うち7万5084カ所が国の保護指定を受けている。史跡に関する公式調査は初めて。
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その半数以上はヴォー、フリブール、ジュネーブ、ベルン、アールガウの5州にある。スイスには現在、ラ・ヴォー地区のぶどう畑、ザンクト・ガレン修道院、ベルンの旧市街など、9件の文化遺産と3件の自然遺産が国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の世界遺産に登録されている。
統計局によると、合計9800カ所、延べ4万ヘクタールが保護指定を受けており、3万9千カ所の考古学的遺跡が分布する。カトリック教地域を中心に、教会など宗教的建築物は7200カ所存在する。
≫世界遺産のブドウ畑をめぐるバトル
≫城を守るのも結構大変なんです
国家的史跡が最も多く残るのはヴォー州で、フリブール州が続く。フランス語圏スイス人はドイツ語圏やイタリア語圏のスイス人よりも多く史跡を訪問するという。
統計局は同日、2016年の政府の文化関連支出は30億フラン(約3500億円)と、前年の28億フランから増えたと発表した。国民一人当たりでは363フランで、国内総生産(GDP)の0.4%に相当する。
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今日、ル・コルビュジエは国際的に影響を与えたアーティスト、建築家、デザイナーとしてスイス国内でもよく知られる存在だ。現在スイスで発行されている10フラン紙幣には、飾り気の無い黒縁メガネをおでこに上げたル・コルビュジエの肖像が描かれている。
しかし、スイスがル・コルビュジエを20世紀の偉大なアーティストであると認めるまでには、とても長い時間が掛かった。ル・コルビュジエ生誕125周年でスイスインフォが2012年に行った取材に対し、アーティスト・デュオのプロンク&レプロンクは「スイスはアーティストが他の国で有名になってから初めて、その人物を認める」(レプロンク)と語っている。
ル・コルビュジエに関する著書がある作家のニコラ・ヴェルダン氏もこう話す。「スイスは、当時すでに有名だったこの建築家のことを、長い間認めようとはしなかった。だから彼もスイスのことを認めなかった」
ル・コルビュジエのそのような姿勢は、回想録やプライベートで残したメモ書きからもわかるという。「ル・コルビュジエはよく『スイス』を批判や失望の言葉と共に語った。彼の不満はジュネーブの国連欧州本部がある『パレ・デ・ナシオン』の建築プロジェクトが拒否されてからさらに強くなった」(ヴェルダン氏)
ヴェルダン氏はそんなル・コルビュジエを「ミステリアスで謎の多い」人物と表現している。
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