ジュネーブ州は、電子投票システムが国内で最も浸透している
Keystone
ジュネーブ州の電子投票システムに重大な欠点があることが分かった。投票する人を悪質なウェブサイトにアクセスさせる可能性がある。州は問題を認識しており、数年前に対策を導入時済みだと主張する。
このコンテンツが公開されたのは、
ハッカー集団カオスコンピュータークラブ・スイス支部のフォルカー・ビルク氏は、スイス最大規模を誇るジュネーブ州の電子投票システムに、安全性の低いウェブアドレス保護策が用いられていると指摘した。
ビルク氏はドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)で、同システムにDNSキャッシュポイズニングの攻撃を受けやすい弱点があることを突き止めるのに数分もかからなかったと話した。ドメイン名の脆弱性を悪用し、インターネット利用者を正当なサーバーから強制的に偽のサーバーに迂回させる攻撃だ。ビルク氏は何十年も前から問題になっている攻撃だと指摘した。
ジュネーブ州は3日、SRFに対し、以前からある程度問題を認識しており、03年に対策を実施、15年にシステムの安全性を強化したと書面で回答した。「これまでの電子投票では異常は見られなかった。各投票の間、恒常的に監視を続けている」と述べた。
専門家は、スイスの電子投票の安全上の欠陥を繰り返し警告してきた。政府が永久に電子投票システムを導入できないようにするイニシアチブ(国民発議)を立ち上げる計画もある。
おすすめの記事
欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
このコンテンツが公開されたのは、
欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。
もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
おすすめの記事
スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
このコンテンツが公開されたのは、
抗生物質の開発に特化するスイスの新興バイオ企業ビオヴェルシス(BioVersys)は2日、日本の塩野義製薬と共同研究・独占ライセンス契約を結んだと発表した。
もっと読む スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
おすすめの記事
スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。
もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
おすすめの記事
スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
このコンテンツが公開されたのは、
米宇宙企業SpaceX(スペースX)が運営する通信衛星「Starlink(スターリンク)」のアンテナ40基をスイス南部の村に設置する計画に対し、反対する声が上がっている。
もっと読む スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
おすすめの記事
スイスでは現金のチップが主流
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。
もっと読む スイスでは現金のチップが主流
おすすめの記事
プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。
もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
おすすめの記事
スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中銀、SNB)は19日、政策金利を0.25%引き下げて0%にすると発表した。
もっと読む スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
おすすめの記事
欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
このコンテンツが公開されたのは、
メディア報道によると、ドイツ、フランス、英国の外相は20日、スイス・ジュネーブでイラン外相と核協議を行う見通しだ。
もっと読む 欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
おすすめの記事
スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス上院は17日、超富裕層の相続に相続税を課し環境保護の財源にする案を否決した。
もっと読む スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
おすすめの記事
見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。
もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
続きを読む
おすすめの記事
EUの量子コンピューティング開発にスイスの提案2件が採択
このコンテンツが公開されたのは、
欧州委員会の進める量子コンピューティング開発計画「量子テクノロジーフラッグシップ」の第1弾に、スイスによる提案2件が採択された。「量子技術の可能性を最大限に引き出し、欧州での商用製品への開発と実用化を加速する」ことを目指す。
もっと読む EUの量子コンピューティング開発にスイスの提案2件が採択
おすすめの記事
スイス、電子投票認める法改正を提案
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は27日、電子投票システムを国内の選挙に運用するため必要な法改正を行う方針を示した。
もっと読む スイス、電子投票認める法改正を提案
おすすめの記事
スイス選挙戦で「フェイスブック情報流出」はありうるか
このコンテンツが公開されたのは、
英データ分析企業ケンブリッジ・アナリティカ社に、有権者の心理操作目的でフェイスブック利用者5千万人以上の個人データを不正利用した疑いが浮上している。チューリヒのデータ保護責任者は、このようなシナリオはスイスでも十分起こりうると話す。本当だろうか?
もっと読む スイス選挙戦で「フェイスブック情報流出」はありうるか
おすすめの記事
「偽ニュース」拡散防止、まだ長い道のり
このコンテンツが公開されたのは、
スイスと欧州の研究者たちが、ソーシャルメディアで流布する虚偽情報を検出するアルゴリズムの開発に取り組んでいる。しかし、機械にこの検出機能を学習させるのは容易ではないという。
2016年は「虚偽情報」が国際的に大きなニュースになった年だった。中でも、 フェイスブック上の偽ニュースがドナルド・トランプ氏の大統領当選に貢献したと批判された時の反響は大きかった。世界で最も人気のあるソーシャル・ネットワーキング・サービスのフェイスブックは、虚偽情報が有権者に与えた影響を当初否定していたが、サイト上の偽ニュースの拡散抑制対策の試験運用を開始した。
フェイスブックの他にも、グーグルのような巨大IT企業からITに詳しい個人まで、あらゆる人々が虚偽情報の拡散を抑制するために動きだした。しかし、米国大統領選の意外な結果でこの問題に光が当たるずっと前から虚偽情報の増加を研究していた人々は、偽ニュースとの戦いは容易ではないと警告する。
もっと読む 「偽ニュース」拡散防止、まだ長い道のり
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。