ベルリン国際映画祭のディレクター就任が決まったカルロ・シャトリアン氏。8月に開幕するロカルノ国際映画祭が芸術監督として最後の映画祭となる
Keystone
スイス南部ティチーノ州で毎年8月に開催されるロカルノ国際映画祭の芸術監督、カルロ・シャトリアン氏(46)が、ベルリン国際映画祭のディレクターに転じる。ジャーマン・フィルムズの社長、マリエッテ・リッゼンベック氏と共に、2019年5月に退任するディーター・コスリック氏の後任に就く。ドイツの文化メディア庁が22日、公式発表した。
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シャトリアン氏はイタリア出身。ジャーナリストおよび作家として活動後、2012年にロカルノ国際映画祭の芸術監督に就任した。
>>映画をこよなく愛するカルロ・シャトリアン氏
6年以上にわたる在任期間中、世界中のコンペ出品作や人気ハリウッド映画など幅広い分野の作品をピアッツァ・グランデ(グランデ広場)でワールドプレミア上映するなど、過去の経験を生かしながら映画祭を指揮。ヨーロッパの映画ファンから厚い支持を受け続けた。シャトリアン氏の後任は決まっていない。
同氏はメディアのインタビューでこれまで複数回にわたり、ベルリン国際映画祭の現ディレクター、ディーター・コスリック氏の後任にはならないという旨の発言をしていたことから、今回の就任は電撃的に捉えられている。
ベルリン国際映画祭は仏カンヌ国際映画祭に並び、世界3大映画祭の一つとして知られる。評論家らは、シャトリアン氏がベルリン映画祭の改革という難しい課題に直面するだろうと話す。
ベルリン国際映画祭は1980年から2001年までスイス人写真家で映画監督のモリッツ・デ・ハデルン氏がディレクターを務めた。
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「選考理由を端的に言えば、この三つの作品がとても気に入ったからだ」とシャトリアンさんは開口一番こう話した。さらに、「ロカルノのコンペティションの選考基準で一番重要なのは、映画そのものの芸術性だ」と言い切る。国や主題、ジャンルなどとはまったく関係のない、純粋にその映画が持つ芸術性の高さが問題にされると続ける。
その次に重要なのは、「それぞれの映画がまったく異なり、選考された映画が最終的に多様性に富んでいることだ」。言い換えれば、たとえ主題において似ることがあるとしてもスタイルや表現・主張に類似性があってはいけないという。「そういう意味で、今回選ばれた日本映画の3本は、『映画言語』がまったく違っていて、我々の選考基準に合っていた」
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溝口健二、小津安二郎、黒澤明の映画が大好きだというシャトリアンさん。こうした偉大な監督の伝統を継承しながらも、日本の映画界は絶えず新しい表現を生み出していると絶賛する。ただし、こうした新しいものを生み出す新人監督の作品を見つけるのは非常に難しいとも指摘する。
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