日本のニュース in スイス
今週、スイスの主要メディアが注目した日本関連ニュースを紹介します。
スイスが報じた日本の出来事|2023年4月20~27日
日本・韓国の引きこもり問題、両親とも雄の赤ちゃんマウス誕生、日銀総裁が10年ぶり交代、無印良品がスイスの大手スーパーと提携解消、民間初の月面着陸を目指した宇宙ベンチャー「ispace」といった出来事が取り上げられました。
この中から今回は「日本・韓国の引きこもり問題」と「無印良品がスイスの大手スーパーと提携解消」をピックアップ。スイスメディアが配信した記事を要約して紹介します。
日韓の引きこもり
スイスで「Karoshi(過労死)」という単語は、何年も前から一般に広く知られる単語です。それに加え、最近は「Hikikomori(引きこもり)」がメディアで取り上げられるようになりました。ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)は引きこもりが起こる要因の一つとして、日本や韓国の過酷な競争社会を指摘。発祥地の日本では人口の1%以上を占める約140万人が引きこもりで、今では韓国などアジア諸国にも広がりつつあると伝えました。
東京に住むドイツ公共放送(ARD)のカトリン・エルドマン日本・韓国特派員は「子供の人生がうまくいっていない場合、親は成人になっても子供と共に暮らし、責任を果たそうとする。だが自立を促すためにも親元を離れた方が良いのでは」と疑問を投げかけています。
SRFによると、韓国政府は引きこもりに対する支援プログラムを拡大させ、9~24歳までの貧困家庭の若者たちに毎月約450フランを支給する方針です。エルドマン氏は「韓国では若者の失業率が比較的高く、仕事を持たない若者の多くが孤立の危機にさらされている。この制度ができたことは良いこと。若者の自信を強め、社会に溶け込めるよう後押ししてくれる」とコメントしています。(出典:SRF外部リンク/独語)
無印がスイスの大手スーパーと提携解消
無印良品のチューリヒ出店がスイスで報じられたのは、2018年末のこと。日本の小売大手の参入に(スイス在住の日本人だけでなく)小売業界は大きな興奮に包まれました。スイスのメディアは「日本の巨大ブランド、スイス上陸」「25カ国超で年間35億ユーロを売り上げる日本のブランドがスイスで勢力拡大」など、大々的に報じました。
2019年にチューリヒ州ヴァリゼレンの大型ショッピングセンターGlatt内にMUJIがオープンすると、たちまち大勢の買い物客でにぎわうように。MUJIを呼び込むメリットが高いとにらんだ大手スーパーマーケット、ミグロのチューリヒ支部は無印良品と提携し、2021年秋にチューリヒ中心部のショッピングセンターにショップ・イン・ショップ(店舗内のMUJI売り場)を設置しました。その後、チューリヒ州ウスターのショッピングセンターにも登場しました。
しかし、そうした蜜月も終わりを迎えることに。業界ポータルサイト「Konsider」によると、「需要が期待通りに伸びなかった」ため、チューリヒ中心部のショップ・イン・ショップは3月末ですでに閉鎖。ウスターの売り場も姿を消しました。残るはヴァリゼレンの大型ショッピングセンターにあるショップのみとなっています。(出典:アールガウアー・ツァイトゥング外部リンク/独語、ザンクトガラー・タークブラット外部リンク/独語)
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