クレディ・スイス、9兆2千億円流出
シリーズ クレディ・スイス危機,
エピソード 44:
クレディ・スイス(CS)は24日、顧客からの預かり資産が612億フラン(約9兆2千億円)流出したことを明らかにした。
CSに資産管理を託していた富裕層の資金が流出した。預かり資産は2022年第4四半期にも1100億フラン減少した。運用資産総額は12カ月で1兆5600億フランから1兆2500億フランに減少した。
ウェルスマネジメント事業の純流出額は471億フラン。
経営不振に陥っていたCSは先月19日、破綻を回避するため、ライバル行UBSによる30億フランでの緊急買収に合意した。
買収は今後数週間で完了する見込み。そのためCSが単独で四半期決算を報告するのはこれが最後となる可能性が高い。
現在、CS買収に伴いスイス連邦政府がCSのAT1債を無価値化した決定をめぐり、複数の債券保有者が提訴の準備を進めている。
CSは2月、2022年の決算が73億9300万フラン(約1兆円)の赤字と発表していた。
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英語からの翻訳:大野瑠衣子
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