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ダヴォス良いとこ一度はおいで ( スイスめぐり-6- )

この小さなアルプスの「都市」は毎年1回、世界経済の首都となる

(swissinfo.ch)

世界経済フォーラム ( WEF ) の開催地として世界的に有名なリゾート地、ダヴォス。この有名な国際会議以外にも調査・研究や医療クリニックなどの中心地でもある。

またの名を「欧州で最も標高の高い所にある都市」。これが他のスキー・リゾートとはちょっと違うところだ。

 ダヴォスに到着した観光客は、ここの建物のほとんどが、平らな屋根の、四角いビルであることにかなり驚くことだろう。彼らはアルプスの山によく見られる山小屋風のシャレーを期待してやって来るから、この風景にちょっとがっかりするかもしれない。

様々な顔を持つ町

 19世紀から20世紀初頭にかけて健康リゾートとして発展したこの町は、現在、様々な顔を持っている。

 まずはやっぱりスキー・リゾートとしての顔。しかし春になってスキー客が全くいなくなってしまっても、他のスキー・リゾートと違って、ここでは1年を通じて活気に満ちている。

 数え切れないほどの会議やセミナーがこの町で開かれ、有名なクリニックや医療センターに世界中から患者が訪れ、同時に雪や雪崩の研究の中心地でもある。

 標高は1560メートル。この標高は、世界のトップ・スポーツ選手たちにとっても非常に魅力的だ。毎年12月にはアイスホッケーのスペングラー・カップが開催される。これは各国からナショナル・チームやクラブチームが参加する国際試合だ。

必要なものは全てそろっています

 スキー滑走路は最低でも320キロメートル。長く伸びるこの白銀の滑走路は、ダヴォスを囲む5つの山にまたがる。

 谷間に数キロメートル広がるこの町で、宿に困ることはない。ホテルのベッド総数は2万4000床にものぼり、予約が途切れることはめったにないにせよ、どこも全て満室で旅行者が困った、という事態はこれまで1度も起きたことはない。

 「メガネ屋、コンピュータ・ショップ、24時間のアウトレット・ショップまで、とにかく必要なものは全てそろっています」と語るのは旅行会社のブリトン・デービッド・シンコックさんだ。

 彼の新しい会社「ホワイト・ヒート」は、スキー場以外の場所に的を絞った。ここでは深い雪の中でのスキー技術を、ビデオを使って教える。

ダヴォスの利点はいろいろ

 この数年間、スイス・アルプスへのイギリス人観光客は減少の一途をたどっていたが、去年の冬は5%増と持ち直し、今年も同じぐらいの増加が見込まれている。これは昨年行われたスキー・リフトの大幅な改築と関係があるかもしれない。この改築のおかげで、リフトの待ち時間が非常に短くなった。

 ツアー・ディレクターのアールミン・エッガーさんは語る。「ツアーを主催する側としては、ダヴォスのように、スキー以外にもいろいろ提供できるものがあるというリゾート地は最高です。家族連れやスキーをしない人々にもツアーを売り込めますからね。他のアルプスのリゾート地では真似できないことです」

 イギリスの旅行会社「クリスタル・ホリデー」のマリオン・テルスニッグさんも同感だ。テルスニッグさんによると、ダヴォスは「しっかりした施設」と旅行者が望む「高い質」の両方を兼ね備えている。

 実際に町を歩いている旅行者にインタビューしてみた。「ここは他のリゾート地とはまったく違います。ここはビジネス街ですが、ちょっと足を伸ばせば本当にかわいらしい『チョコレートの箱』のような典型的なスイスの村があります。こんな場所はフランスではありえません。フランスでは、どうしてももっと大きくて限られた目的のリゾート地になってしまいます」

 「それに交通の便も良いですし」と彼は続ける。「チューリヒで飛行機を飛び降りて、電車に数時間乗ればもうリゾート地です。これはフランスでは全く無理なことです」

多くの作家や芸術家もここで療養した

 ダヴォスに昔からあるサナトリウムの多くが、ホテルに改築されてからかなりの年月が経った。鉄格子のようにも見えるバルコニーは、慢性の病を持った患者が太陽の光を浴び新鮮な山の空気をいっぱい吸って寝そべることができるように設計されたものだ。

 この骨格のようなバルコニーは、今では長期休暇滞在者が、朝ちょっと外に出て天気を確かめ、今日はどの山で滑ろうかと吟味する場所となっている。

 このような建物が多く立ち並べば、ここにやってくる人々は、療養場としてのこの町の過去を忘れることはないだろう。しかし、過去といっても輝かしい、自慢できる過去だ。患者の顔ぶれがすごい。

 ここでトーマス・マンは、かの有名な『魔の山』を書いた。『シャーロック・ホームズの冒険』で有名なコナン・ドイルも、しばしばここに療養にやって来て、アルペン・スキーの発展に多大な貢献をした。

 ドイツ表現派の代表的画家、エルンスト・ルートヴィッヒ・キルヒナーはここを第2の故郷とした。彼の描いたピンクとすみれ色に染まる山々は、ダヴォスから見たアルプスの風景である。キルヒナーの作品を500点以上も集めたキルヒナー美術館は、ダヴォスにある6つの美術館のうちで最も重要なものだ。

 最近のセレブといえば、スイスが誇る有名建築家のジャック・ヘルツォークとピエール・ド・ムーロンだろう。彼らが設立したヘルツォーク&ド・ムーロン設計事務所は、昔のサナトリウムの傍に新世代の高いタワー・ホテルを建設する計画を立てている。

 有名建築家によるこのようなモダンな建物は、他のスイス・アルプスでは到底お目にかかれない。しかし、まあ、ここはダヴォスなのだから当然と言えば、当然だ。ここはすこぶる特別な場所なのだから。

swissinfo、デイル・ベヒテル ( ダヴォスにて ) 遊佐弘美 ( ゆさ ひろみ ) 意訳

キーワード

ダヴォスは標高1560メートル、人口は約1万3000人。
19世紀半ば、ドイツ人の医師、アレクサンダー・スペングラーが病人に高い標高で養生することを勧めたのをきっかけに、ダヴォスは健康リゾート地として発展した。
『シャーロック・ホームズの冒険』の著者、コナン・ドイルやドイツの代表的作家、トーマス・マンの妻などが治療に専念した場所としても知られる。
世界経済フォーラムが初めてダヴォスで開かれたのは1971年。

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