スイスの視点を10言語で

フリードリヒ大使だけじゃない スイス国辱外交官たち

マネーロンダリング容疑で逮捕されたペーター・フリードリヒ駐ルクセンブルク大使は、祖国スイスを代表する身でありながら自ら辱めたお騒がせ外交官リストに名を連ねることになった。最近の主な事件を上げてみた。

記憶に新しいところでは、前駐独大使のトーマス・ボーラー氏。元ミス・テキサスのショーン・フィールディング夫人と共に、独雑誌をしばしば賑わした。昨年5月には、ベルリンのスイス大使館で撮影された「好ましくない」写真数点(フィールディングさんがタックトップで拳銃を手に「アルプスのカウガール」ポーズを決めたもの、赤いミニスカートでベルリンのスイス大使館の屋根の上のスイス国旗の傍らに立っているもの、大使館のロビーで「シンデレラ」ポーズを取る写真など)が独の雑誌「Max」に掲載され、フィールディング夫人はジョセフ・ダイス外相に事情を説明した上で謝罪する一件があったが、今年に入ってからボーラー前大使の元ポルノ女優との不倫騒動が持ち上がり(女性は最初不倫を認めたが後に否定)、4月大使を解任されベルンに呼び戻された後、ボーラー氏は離職した。

90年以降の外交官スキャンダルは以下の通り。99年6月、ペーター・トロエンドル駐クロアチア大使(当時)が8月1日のスイス建国記念日祝典の経費水増しで更迭。
97年7月、スイス政府公文書をルーマニア情報局に売りわたしたルーマニア副領事(当時)逮捕。
97年1月、カルロ・ジャグメッティ駐米大使(当時)がホロコースト犠牲者のスイス銀行集団訴訟に関連するスイス銀行の休眠口座に関する内部情報を日曜紙に暴露し、早期退職。
96年8月、ソウルのウルフ・ロイツ副領事(当時)がルーマニア情報局員の偽造書類でのスイス入国を幇助した疑いで副領事職を解任され、後辞職。
96年4月、ジャン=ピエール・ヴェットヴァグリア駐ルーマニア大使(当時)がルーマニア情報局員だった21才の女性と不倫し解任。ヴェットヴァグリア元大使は、文書偽造の上、故チャウシェスク大統領、ミカエル国王がスイスの金融機関に保有する資産の金額を探ろうとしていたとされるが、情報局に資産に関する情報を渡したかどうかは証明されていない。
96年2月、ベオグラードのベノイト・ユノド・スイス代表が、旧ユーゴスラビア経済制裁を侵害し、総額126、000スイスフラン相当の商品をスイスに輸入、文書偽造した容疑で解任された。
89年9月、アルフレード・ホール駐独大使(当時)は、招待されたクルージング中の飲酒で独人のホストを侮辱、同僚にボートから引きずり下ろされた。ホール大使は冗談だったと述べたが、91年ギリシャ・アテネに転属となった。

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部