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新型インフルワクチン接種に賛否両論

連邦保健局は妊婦、生後6カ月から64歳までの慢性疾患を持つ人、医療関係者など、感染リスクや重症化リスクの高い人を優先して、ワクチン接種を奨励する

(Keystone)

スイスで新型インフルエンザのワクチン接種が11月16日から開始される。第1段階では妊婦、医療関係者など、重症化や感染リスクの高い人を対象にする。

それ以外の人への接種はワクチンの供給が整った12月初めに始まる。連邦保健局 ( BAG/OFSP )は、手洗いなどの予防に加えワクチン接種を奨励するが、11月2日発表された新聞紙上のアンケートではわずか1割近い人しかワクチン接種を考えておらず、またワクチンの安全性と有効性を疑問視する医師もいる。

ワクチン接種を奨励

 「テストされ確信の持てるワクチンを提供できたと考えている」とトマス・ツェルトナー連邦保健局長は、新型インフルワクチンの安全性と有効性を10 月29日の記者会見で訴えた。

 スイスでは、国民が2回接種できる量の1300万本のワクチンを「ノバルティス社 ( Novartis ) 」と「グラクソスミスクライン社 ( GlaxoSmithKline ) 」に発注しており、第1段階の11月16日からの接種のために、今週から各州に配給が始まる。

 連邦保健局の目標の一つは、妊婦、生後6カ月から64歳までの慢性疾患を持つ人、医療関係者、乳幼児と接触を持つ職業の人など、重症化や感染リスクの高いグループが少なくとも半数以上が接種してくれることだ。

 また、それ以外の人にも接種を奨励し、
「特にスイスでの入院患者の平均年齢は20歳なので、やはり若者を中心に接種を勧めたい。また周囲の人も感染させないために接種は大切だ」
 と、連邦保健局の広報担当官ジャン・ルイ・ツルヒャー氏は話す。すべての接種は無料で、内科医院や産婦人科医院などで簡単に受けられる。

現段階では接種希望者は少ない

 しかし、ドイツ語圏の日曜紙「ゾンタークス・ブリック ( SontagsBlick ) 」に11月1日発表された606人を対象にしたアンケートでは、回答者のわずか1割近い人しかワクチン接種を考えていない。
「スイスではまだそれほど流行していないので、危機感が少ないこともあるだろうし、またこうしたアンケートは正式な統計ではないので、あまり意味がない」
 とツルヒャー氏は反論する。

  スイスでは、新型インフルにかかった人の数は過去数週間で増加し、現在約30人が入院し、うち4人が特別集中治療を受け、うち1人が危篤状態だ。

ワクチンの副作用は?

 ただ、現段階で接種希望者が少ないというアンケート結果は、今回のワクチンの副作用を心配するからではないかという疑問に、
「従来の季節性インフルの副作用とほとんど同じ。つまり注射した部分が膨れて痛んだり、頭痛がしたりといった症状が出る可能性はあるが、短時間のものですぐに消える。またこうしたリスクと、新インフルエンザにかかり重症化するリスクを比較すると接種したほうがいい」
 とツルヒャー氏は結論する。

 さらにメディアでは、免疫効果を高める油状の補助薬にウイルスが溶け込んでいるタイプのワクチンが今回使用され、この補助薬の危険性を問題にしているが、
「補助薬添加には10年の経験があり、100以上のテストが行われまったく問題ない」
と保証する。

 一方、ヴォー州の内科医パスカル・ビュシュレール氏は、「欧州医薬品審査庁 ( AEM ) 」のサイトにも記載されていることだとして、
「今回のワクチンのテストは少数の大人と高齢者に対してのみ行われ、長期的な意味での副作用や有効性が完全に保証されていない」
 と懸念する。

 また、すべてのワクチンに反対しているわけではなく、幾つかは患者に推薦していると前置きしながら、
「そもそも季節性インフルエンザのワクチンも、40年間もワクチンを使用しながら、2006年にその有効性が疑わしいという研究結果が出ている」
 と話す。

 今回ビュシュレール氏が一番懸念するのは、副作用として神経疾患が起こることだと言い、1976年にアメリカで今回の新インフルとは違うブタインフルエンザが流行った際、アメリカ当局はワクチンを奨励したが、500人の神経疾患患者が出て中止になったという例を挙げる。

いずれにせよ、
「南半球で冬の間にA/H1N1型の新インフルは、季節性インフルより症状が軽く感染度も低かったことを考えると、安全性と有効性に疑いのある新型インフルワクチンは自分の子どもにも患者にも勧めない」
 と言う。

里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 、swissinfo.ch

連邦保健局( BAG/OFSP )の新型インフルエンザに関する最新情報

< 新型インフルエンザにかかった場合 >

38度以上の熱が出る。寒気、頭痛、筋肉や関節の痛み。のどの痛み、乾いた咳、風邪の症状。めまい、呼吸困難。下痢、吐き気などの症状が出た場合には、インフルエンザの可能性がある。

こうした症状が現れたら家にとどまる。たとえ熱が下がっても、さらに1日は家にとどまる。

危険な症状が現れない限り、基本的には自宅で療養する以外の治療方はないので、無駄に病院に行かないよう、またタミフルなどを自分の判断で乱用してはならない。

インフルエンザにかかったら、かかった本人がたとえ家庭内でもマスクをつける。

また、インフルエンザにかかっているのに、外出しなくてはならない場合はマスクをつけ、人と1メートルの距離を保ち、握手などを避ける。

予防 >

ワクチン接種を奨励している。

また、手洗いの徹底した励行。できれば液体せっけんで手の細部、全体を洗う。

咳やくしゃみをするときはティッシュを口や鼻にあてる。使ったティッシュはごみ箱に捨て、その後すぐに手を洗う。

もし、ティッシュを持ち合わせていない時は肘で、口や鼻を覆って咳やくしゃみをする。手をあてるより、衛生的。

マスクは、インフルエンザにかかった人が現在の段階では必要だが、一般に全員が着用すべきか否かは、状況によるので保険局のサイトを参照すること。

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