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スイス当局は31日、この週末にかけて中国に滞在中のスイス国籍者10人を本国に帰還させる手はずを整えていると発表した。
フランス政府は10人をフランスに飛行機で運び、マルセイユに14日間隔離できるように支援を申し出たが、詳しい帰国方法はまだ決まっていない。スイス当局は中国にいるスイス国籍者は全員健康で、スイスでは新型コロナウィルスの感染例はまだ見つかっていないと繰り返した。
スイス外務省によると、中国・香港にいるスイス国籍者は現在4000人を超える。感染の中心地となっている武漢市に滞在しているのは10人。同市では30日までに213人が死亡している。
自動車連盟「ツーリングクラブスイス(TCS)」は同日、外務省と連携して会員向けに中国発のチャーター機16便をこれまでに手配したと発表した。感染が拡大していない地域からの帰還も含まれる。TCSは新型肺炎対応の特別チームを組み、コールセンターの人員を増強した。
複数のメディアは、新型コロナウィルスに対して後手後手の対応を取る世界保健機関(WHO)に対して批判を強めている。
だがスイスの保健当局は、スイスに新型コロナウィルスが上陸しても適切に対応する準備は整っていると強調し、過度に慌てないよう呼びかけている。連邦政府は州政府と連携しており、スイスは欧州連合(EU)全域をカバーする警告システムにも加わっている。
有効な措置
ベルン大学は新型コロナウィルスのリスクが国外にも広まっていると警告する。コンピューターのシミュレーションで、1人の患者から平均2人に感染していると計算した。
これは2003年に香港などで大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)に似た感染力だという。
感染症を専門とする同大学のクリスティアン・アルトハウス外部リンク氏は「今は中国外で人から人に感染するのを食い止めるのが大事な時だ」と話す。「感染拡大を抑えるために中国で採られた厳しい措置は、患者の増大を止める可能性が高い。これが世界的感染(パンデミック)を防ぐ適切な措置だったかどうか、今後数週間で示される」
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