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生け花を通して日本を知る

花や植物がいつも身の回りにあった swissinfo.ch

街の花屋の店先で、明らかに日本の生け花に影響されたと思われる花束を見かけることがある。天、地、人の3要素をバランスよく花で表現する美しさを気に入る人は多い。レナーテ・ボイヤーさんもその一人だが、彼女は基本に則った純日本の生け花しか認めない。

このコンテンツは 2004/08/13 13:36

レナーテ・ボイヤーさんの生まれはドイツの首都、ベルリンである。工業デザインをベルリンの美術学校で学び、スイスのメーカーに工業デザイナーとして就職し、スイスで家庭を持った。学生の頃、日本の伝統家屋をデッサンして、畳の美しさに感動したのが日本との初めての出会いだった。スイス人と結婚し、子育てに余裕ができた頃、スイスで生け花を教える日本人女性と知り合いになった。以来、「不必要な枝や花を切り捨て、限られた材料で花の美しさを最高に引き出せる」生け花にはまった。1995年からは、流派を超えた国際生け花協会のスイス・ドイツ語圏支部の支部長として、スイスに生け花を広めることに専念してきた。

祖父の花好きが遺伝したというボイヤーさんのお宅には、生け花のほかにランの鉢が所狭し、と飾ってある。洋と和が混在することは認めるボイヤーさんだが、生け花の基本である、天、地、人を踏まえていないものは生け花として認めないという。「花をどうやって花器に挿すのかは、スイス人でもすぐ習得します。しかし、わたしは日本のことや文化を完全に理解していませんから、わたしの花は日本人のいけた花にはかなわない」とあくまでも控えめだ。

スイスの生け花協会は長年の会員ばかりで世代交代されずにいるのが問題。「敷居の高い」東洋美術を専門に展示する美術館などで作品発表をする一方で、花好きの新会員を求めガーデンセンターが主に参加するメッセにも生け花のアピールに足を運ぶ意気込みでいる。

スイス国際放送 聞き手 佐藤夕美 (さとうゆうみ)

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