蚊帳でマラリア予防
スイスの研究機関がマラリア予防研究の一環として5年前からタンザニアで試験的に蚊帳を配付したところ、子供達のマラリア患者が60%減少していたことが分かり、スイスは国家プロジェクトとして取り組むことになった。
スイス熱帯研究所(バーゼル)は、マラリア予防のため1996年からタンザニア南西部のキロムベロとウランガの2つの地域で蚊帳を配付するという試験的に行ったプロジェクトが効果を上げていたことが判明し、春から国家プロジェクトに拡大されることになった。プロジェクト・リーダーのクリスチャン・レンゲラー博士はによると、蚊帳の配付を始めてから2年後、マラリアに最も罹りやすい子供と妊婦のマラリア発病率が60%減少した。
蚊帳配付はマラリア管理のための社会福祉事業として始められ、商業的な目的ではなかった。レンゲラー博士は「我々は地域指導者、教会、保健衛帥Tービス、既曹フ商業市場など多様なチャンネルを通して蚊帳の配付を試みたところ、最も効果的だったのは市場だった。そのため、我々は卸売り業者、小売商と協力し、安くて品質の良い蚊帳をこれらの地域の人々に届けるようにした。」と言う。
この試験的プロジェクトが成果を上げたため、熱帯研究所は今春からスイス開発局、世界保健機関(WHO)、国連児投�金(ユニセフ)の資金援助を受け、国家プロジェクトとして蚊帳配付に取り組むことになった。「既曹フ市場を通して蚊帳をタンザニア全国に行き渡るようにしたい。その際、現地の公的機関が蚊帳の非課税、蚊帳使用の促進運動など正当なコンディションづくりをするよう願っている。」とレンゲラー博士は言う。
マラリアの猛威は、アフリカ諸国に健康上だけでなく経済の上でも大きな影響を与えており、年間国民総錘Y(GNP)成長率を1.3%減少させているという。レンゲラー博士は「子供の死亡率における我々のプロジェクトの成果を見るならば、毎年100人の命を救う計算になる。蚊帳でタンザニアの子供全員を救えるとしたら、1年で約30、000人の命を救うことになる。アフリカ全土に蚊帳が行き渡れば、50万人の命を救う事ができるのだ。」と語った。
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