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第33回ローザンヌ国際バレエコンクール開幕間近

今年も28カ国から100人以上の参加者が技と表現力を競い合う。 Prix de Lausanne

毎年1月末にスイス、ローザンヌ市で行われる「ローザンヌ国際バレエコンクール」が、今年も23日から30日までの予定で開催される。

世界各国から参加できるのは、15歳から17歳の若いアマチュアダンサー。世界の一流のバレエ学校へ1年間留学できる「スカラシップ賞」や「プロ研修賞」があり、若いダンサーを育成するのがコンクールの主旨だ。

数あるバレエコンクールの中も、1月末に行われるローザンヌのコンクールは、若いダンサーを育成することが目的となっている。1973年から始まり、今回で33回を迎える同コンクールは、日本人の若手ダンサーにとっては特に、プロの道を歩むための登竜門だ。

日本ではプロが育ちにくい

 今年の参加者総数は100人以上。このうち日本からは女子が30人、男子が6人で合計36人。日本人の参加者数は圧倒的に多く、次に多いのは、フランスの11人、韓国の10人、オーストリアの9人で、スイスは男女合わせて2人のみ。

 ローザンヌ国際バレエコンクール日本事業部の山田博子さんによると、日本から初めて参加したのは1977年で、参加者は3人だった。これ以来、毎年日本人は参加しつづけているが、今年は最多数という。日本人が多いのは「日本ではプロのダンサーが活躍する場が少ないため、外国のバレエ団で踊り、プロとして自立したいと夢を持って参加する」と山田さんは説明する。

 1986年から毎年受賞者を出している日本勢。同コンクールで認められれば、プロとしての活躍の場も見出せるかもしれないという意気込みをもって踊るダンサーの技や表現力の競い合いに期待が寄せられる。

審査員に受賞者の斎藤亜紀さん

 審査員は、審査員長ジャン・ピエール・ボンフー氏(ノースカロライナ・男子シアター芸術監督)以下9人。そのうちの一人、斎藤亜紀氏は1991年の同コンクールのスカラシップ受賞者で盛岡出身。現在、ベルギーのロイヤルバレエ・オブ・フランダースでプリンシパルとして活躍している。日本のダンサーたちの「あこがれ」の人でもある。斎藤氏にバレエを教えた盛岡の黒澤智子氏は、「斎藤さんはローザンヌのコンクールであつい信用を得ているので審査員になったのだろう」という。さらに彼女は、盛岡でレッスンを受けたことを忘れず「帰国すると盛岡のスタジオにも必ず顔を見せ、他の弟子の指導もしてくれる」と黒澤氏は嬉しそうに語った。

 スカラシップ賞の受賞者には、世界一流のバレエ学校へ授業料無料で一年間留学する権利とおよそ140万円の生活援助費が出る。そのほか、プロ研修賞、コンテンポラリー・ダンス賞、ペストスイス賞などの賞がある。1週間にわたって踊るダンサーたちは、クラシック、コンテンポラリー、フリーの3つのバリエーションで評価が下される。

swissinfo  佐藤夕美 (さとうゆうみ)

第33回ローザンヌ国際バレエコンクール
05年1月23日から30日まで
参加資格 アマチュアで15歳から17歳まで
世界28カ国から100人以上が参加。
日本からは女子30人、男子6人が参加。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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