ダボス会議ハッカー、覆面会見
「バーチャルモンキーレンチ」と名乗るハッカーのグループが、日曜紙「ゾンターグツァイトゥン」の覆面会見に応aA世界経済フォーラム(WEF)のデータベースから出席者の個人情報を盗んだことを認め、犯行の目的は富と権力への挑戦だと語った。
「バーチャルモンキーレンチ」は自分達の行動を、ダボス当局の威光を傷つけることによって情報の自由に関する声明を発するためのサボタージュと定義した。そして、「権力と権力者への挑戦」が目的だったと語った。「ゾンターグツァイトゥン」の報道によると、グループは4人。「我々から見ると、知的所有物は非論理的だ。権力者の利益のために役立っているだけだ。」。そこで、ハッカーらは世界で最も強大な権力を持つ者と富を持つ者の何人かの情報にアクセスした。スタンダードソフトウェアを用いて、約102、000人のフォーラム出席者のデータ40万ページをダウンロードした。入手した情報の一部は「ゾンターグツァイトゥン」紙で公開され、同紙ウェブサイトでも掲載されている(下記アドレス)。その際、彼等は国、多国籍企業はターゲットにしなかった。理由については「彼等はシステムを変えない」からだと説明している。そして、「バーチャルモンキーレンチ」の政策は、無政府主義とハッカー倫理の統合だと述べた。
WEF当局は情報漏洩発覚後、内部調査を開始した。これまでの発表によると、ハッカーは2000年に開催されたWEF地域会議出席者に関する情報を集めた古いデータベースに侵入したもので、ジュネーブのWEFメインコンピューターと2001年ダボス会議で使用されたコンピューターはターゲットにされなかった。漏洩した情報は出席者のパンフレットなどに掲載されている類のものがほとんどだが、約1、400人分のクレジットカード情報がリークされた。ハッカー事件は、異様なまでの厳戒体制に反フォーラム勢力からだけでなく地元住民からも批判が集中、ダボス会議の再考を迫られるフォーラムに、さらにプレッシャーを与える事態となっている。
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