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イグ・ノーベル授賞式、隔年でチューリヒ開催に アメリカは「安全ではない」

尻呼吸を実演する研究者
日本もイグ・ノーベル賞の常連。2024年には東京科学大学と大阪大学の研究グループの「尻呼吸」が受賞した Copyright 2024 The Associated Press. All Rights Reserved

科学界の功績を風刺的に称えているイグ・ノーベル賞の授賞式が、今年から隔年でスイスのチューリヒで開催されることになった。例年アメリカで開催されてきたが、主催者が「安全ではない」と判断したためだ。

英語の「ignoble(下劣な)」の意味をかけたイグ・ノーベル賞は、1991年から毎年アメリカのボストンで授賞式が開かれてきた。「人々を笑わせ、そして考えさせること」を目的としたこの風刺的な賞は、科学界において確固たる地位を築き、受賞を辞退する人はほとんどいない。

だが今年9月3日に予定される授賞式は、史上初めてチューリヒで開催される。主催する科学誌「アナルズ・オブ・インプロバブル・リサーチ」は9日、アメリカから欧州に開催地を変更するのは、政治情勢と出席者のビザ取得に関する懸念が理由だと発表外部リンクした。

授賞式はこれまで、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学、ボストン大学で開催されていた。アメリカの同誌の編集者で授賞式の司会を務めるマーク・エイブラハムズ氏はAP通信に「過去1年間、私たちのゲストがアメリカを訪問するのは安全ではなくなった」と語った。

「受賞者や、授賞式を取材する国際ジャーナリストに今年アメリカへの渡航を要請するには、良心の呵責を禁じえない」

エイブラハムズ氏によると、今年の式典はスイスの連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)とチューリヒ大学(UZ)との共催が予定されている。

「スイスはアルベルト・アインシュタインの物理学、世界経済、カッコー時計の跳躍など、予想を超える良いものを数多く育んできた。そして、世界が思いもよらない人々やアイデアを評価するのに再び貢献している」

隔年でチューリヒ開催

エイブラハムズ氏は昨年12月、仏AFP通信の取材に、数人の受賞者が米当局から嫌がらせを受けることを恐れて2025年の授賞式に出席しないことを決めたと語っていた。

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主催者は今後数年間、チューリヒで隔年開催する予定だ。奇数年にはヨーロッパの複数の都市を巡回する。「ユーロビジョン・ソング・コンテストのような大会になるだろう」とエイブラハムズ氏は語った。

過去35年間、受賞者は賞品を受け取るためにアメリカへ渡り、観客から退屈な授業よろしく紙飛行機を浴びてきた。昨年は、ウシにシマウマ様のシマ模様を人為的に施すことで吸血昆虫を避ける効果があることを実証した京都大学の研究も受賞した。アフリカとヨーロッパからの研究者は、トカゲが好むピザの種類について考察して受賞した。

今年の受賞者は10部門で表彰され、飲酒により外国語を話す能力が向上することがあることを発見したヨーロッパのグループや、数十年にわたり爪の成長を研究した研究者が挙がっている。

だが昨年の受賞者10人のうち4人は、授賞式のためにボストンへ赴くことを断念した。

背景には、ドナルド・トランプ大統領の不法移民の取り締まり強化がある。

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英語からのGoogle翻訳:ムートゥ朋子

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