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86年のサンドス爆発・炎上事件、旧東独のテロか?

14年前、バーゼル近郊のサンドス工場が爆発・炎上する事件があった。スイス史上最悪の環境破壊を引き起こしたこの事件、旧東独スパイによるテロという爆弾証言が飛び出し、当局は調査再開を検討している。(写真:1986年のサンドス爆発・炎上)

14年前、バーゼル近郊のサンドス工場が爆発・炎上する事件があった。スイス史上最悪の環境破壊を引き起こしたこの事件、旧東独スパイによるテロという爆弾証言が飛び出し、当局は調査再開を検討している。(写真:1986年のサンドス爆発・炎上)

1986年11月1日、バーゼル州アーレスハイムのサンドス化学工場が爆発、1、351トンの化学物質が炎上し発ガン性物質を含む有毒ガスが発生、バーゼル地方の大気とライン川は、致命的に汚染された。この年は4月にチェルノブイリ原発事故が発生した年で、その情報と経験を踏まえ、住民は3日間地下シェルターに隠った。スイスの一戸建ておよびタウンハウス形式の住宅には、地下シェルター設備が義務付けられている。戦時防衛策の一環で義務付けられていたこのシェルターが、始めて役にたった機会だった。

この事件に関し、元CIA幹部が19日放映されたドイツのテレビの歴史番組で、旧東ドイツの情報機関STASIによるテロ行為だったと発言した。元CIA幹部のヴィンセント・キャニストラロ氏は、旧ソ連元KGB将校から、チェルノブイリ原発事故からヒントを得てスイスの化学薬品工場テロを計画、STASIはKGBの命令を実行したという話しを直接聞いたと語った。

爆発の原因が、公表されたことはない。バーゼル州の司法当局は、原因究明調査を再開するかどうか決定するため、この元CIA幹部の証言を調査中だという。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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