首都ベルンでは12時間で45.8ミリの降雨が観測された
Keystone / Salvatore Di Nolfi
スイスは12日の晩から13日にかけて全国的に強風・豪雨に見舞われた。倒木などで交通機関が大きく乱れ、高速道路も通行止め区間が相次いだ。
このコンテンツが公開されたのは、
ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)によると、12日夜の最大風速は時速135キロメートルに達した。
スイス西部のジュラ山脈から激しい雷雨が全土を横断し、特にチューリヒを暴風雨が直撃。13日午後には南部ティチーノ地方にも広がった。
チューリヒ州警察によると、暴風雨やひょうが市内に多くの被害をもたらし、12日夕方以降にチューリヒの救急隊に寄せられた通報は1000件を超える。
ロイター通信によると、暴風雨による倒木や道路の浸水のため、路面電車やバスなどチューリヒの公共交通機関の一部が遅延・運行見合わせとなった。
チューリヒでは倒木や浸水で通れなくなった道路も
Keystone / Ennio Leanza
スイス中部では、ウーリ州が南北を縦断するA2高速道路の一部を一時的に閉鎖した。
SRFによると、首都ベルンでは12時間で45.8ミリの雨を観測した。チューリヒ郊外のヴァルデッグ村では、10分間で31.1ミリの雨が降り、2018年8月にローザンヌで記録された41.1ミリの過去最高記録を更新した。
スイス中央部のオプヴァルデン準州にあるアルプナハシュタット
Keystone / Urs Flueeler
ベルナーオーバーラント地方のトゥーンでは、最大風速64キロメートルを記録した。ドイツ語圏日刊紙NZZによると、招集された消防隊は過去25年で最多となった。
暴風雨が去った後、連邦環境局(FOEN)はチューリヒ湖、トゥーン湖、ルツェルン湖に対して5段階のうち「レベル4」(危険度が高い)の洪水警報を発令。SRFは、今後数日のうちに、特に湖や川の周辺でさらに雨、洪水、地滑りが発生する可能性があると予測している。
おすすめの記事
スイス政府、金融規制改革の最終案を発表
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦内閣は6日、クレディ・スイス危機を踏まえた金融規制改革の最終案を発表した。自己資本規制を強化し、金融監督局の権限も強化する。
もっと読む スイス政府、金融規制改革の最終案を発表
おすすめの記事
スイスの元外交官50人、ガザめぐる政府の「沈黙」を非難
このコンテンツが公開されたのは、
パレスチナ自治区ガザにおけるイスラエルの「戦争犯罪」に関して、スイスの元外交官55人がスイス外相に共同書簡を送り、スイスの「沈黙と消極性」を非難した。政府に対して直ちに措置を講じるよう求めた。
もっと読む スイスの元外交官50人、ガザめぐる政府の「沈黙」を非難
おすすめの記事
スイスで放射能測定の合同演習
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは2~6日、国際チームがヘリコプターで空中の放射能測定を行っている。緊急時に広い範囲の放射能を迅速にチェックする予行演習だ。
もっと読む スイスで放射能測定の合同演習
おすすめの記事
自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が死亡
このコンテンツが公開されたのは、
自殺カプセル「サルコ」を運営する自殺ほう助団体「ラストリゾート」共同設立者のフロリアン・ウィレ氏(47)が、先月5日にドイツで死去していたことが分かった。
もっと読む 自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が死亡
おすすめの記事
スイス南部で氷河が崩壊 土石流がふもとの村を飲み込む
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部レッチェンタール(ヴァレー州)で28日午後、大きな氷河が崩壊し、大規模な土砂崩れがふもとのブラッテン村を襲った。多数の家屋が倒壊し、1人が行方不明。
もっと読む スイス南部で氷河が崩壊 土石流がふもとの村を飲み込む
おすすめの記事
クレディ・スイス株で大損した株主、政府への賠償請求認められず
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦最高裁判所は23日、スイス政府の「誤った情報」によりクレディ・スイス株で損失を被ったとして損害賠償を求めた夫婦の訴えを棄却した。
もっと読む クレディ・スイス株で大損した株主、政府への賠償請求認められず
おすすめの記事
移動式ホール「アーク・ノヴァ」がスイスに初帰国
このコンテンツが公開されたのは、
東日本大震災の被災者を勇気づけようと建設された移動式コンサートホール「アーク・ノヴァ」がこの秋、親元のスイスに初めて登場する。
もっと読む 移動式ホール「アーク・ノヴァ」がスイスに初帰国
おすすめの記事
スイス、メートル法準拠から150年
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは150年前にメートル条約に調印し、メートルやキログラムを導入した。それまでスイスの測定単位は地域や使途によって大きく異なっていた。
もっと読む スイス、メートル法準拠から150年
おすすめの記事
中国の人身売買組織を摘発 スイス・ベルン州警察
このコンテンツが公開されたのは、
ベルン州警察は19日、大規模な人身取引事件を摘発したとい発表した。容疑者は中国籍の5人で、146人の中国人女性をスイスに誘い出し、性労働に就かせていた。
もっと読む 中国の人身売買組織を摘発 スイス・ベルン州警察
おすすめの記事
まるで曲芸師 ダムの絶壁を歩くアイベックスたち
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部ヴァレー州エヴィオナにあるダムでは今月中旬、約60頭のアイベックスが高さ50メートルの絶壁を伝い歩く姿が観察された。毎年この時期に天然塩を探し求める姿は、スリル満点の曲芸さながらだ。
もっと読む まるで曲芸師 ダムの絶壁を歩くアイベックスたち
続きを読む
おすすめの記事
スイスアルプス圏の村を襲う気候変動の脅威
このコンテンツが公開されたのは、
スイスアルプスの中心部にたたずむ、のどかな小村グートタンネン。牧歌的な村だが、実は山の地盤の不安定化や不意に発生しうる自然災害の恐れに脅かされている。気候変動の影響からこの村を守る手立ては何だろうか。
もっと読む スイスアルプス圏の村を襲う気候変動の脅威
おすすめの記事
1868年の大洪水から150年 自然災害が変えたスイスの姿
このコンテンツが公開されたのは、
150年前、スイスで湖と川が氾濫し、洪水が国土の大部分を襲った。この大災害は国に大きな被害と犠牲者をもたらし、連邦政府の政治や社会にも大きな変化を与えた。
もっと読む 1868年の大洪水から150年 自然災害が変えたスイスの姿
おすすめの記事
2020年のスイスアルプス、最高気温更新
このコンテンツが公開されたのは、
昨年、スイスアルプスでは史上最高気温を記録し、スイス全体では史上2番目に気温が高かった。これは紛れもなく世界的な気候変動の影響だ。このままでは寒冷地帯に生息する動植物の一部が消滅する恐れがある。
もっと読む 2020年のスイスアルプス、最高気温更新
おすすめの記事
「夏のない年」から「世紀の嵐」まで スイスの自然災害
このコンテンツが公開されたのは、
スイスはとりわけ地球温暖化の影響を受けている。気温の上昇とともに、地滑りや洪水などの自然災害リスクも高まっている。これまでにスイスを襲った大規模な災害のいくつかを写真で振り返る。
もっと読む 「夏のない年」から「世紀の嵐」まで スイスの自然災害
おすすめの記事
氷河湖の決壊洪水 を「溝」で予防 スイス
このコンテンツが公開されたのは、
氷河が削った窪地にできる湖、氷河湖。夏に氷河が溶け水量が増えると、洪水となって谷の住民に危険をもたらす。洪水リスクを回避するために、氷河の表面に溝を掘る予防策が施された。
もっと読む 氷河湖の決壊洪水 を「溝」で予防 スイス
おすすめの記事
スイスの銀行は気候リスク開示を 当局が異例の要求
このコンテンツが公開されたのは、
気候変動が深刻になり、金融機関も行動や考え方の変容を迫られている。スイスでは当局の異例の要求を受け、銀行らも本腰を入れざるを得なくなった。
もっと読む スイスの銀行は気候リスク開示を 当局が異例の要求
おすすめの記事
「災害リスクの考え方を包括的に」 国連防災担当の水鳥氏
このコンテンツが公開されたのは、
東日本大震災が起きて9年。この大災害から得た教訓を「仙台防災枠組み」に活かして防災・減災のための国家の対応力向上を呼びかけ、大惨事の記憶を風化させないように努める国連防災機関(UNDRR)トップである国連事務総長特別代表水鳥真美氏に防災対策の現状や問題点を聞いた。
もっと読む 「災害リスクの考え方を包括的に」 国連防災担当の水鳥氏
おすすめの記事
2075年にはスイスは南仏プロバンスの気候に?
このコンテンツが公開されたのは、
研究を率いる、気象学者マルタン・ベニストン氏には「地球の温暖化が続けば2070年〜2100年までに気候の大変動が起こり、地勢学上の気候地域が400キロから500キロメートル上昇する」という。つまり、スイスは南仏の、南仏は…
もっと読む 2075年にはスイスは南仏プロバンスの気候に?
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。