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スイス、米国の死刑推進に「深い懸念」表明 人権理事会で

ドナルド・トランプ米大統領
ドナルド・トランプ米大統領は、連邦死刑囚の死刑執行を再開し、不法滞在者に対し積極的に死刑を求刑する大統領令に署名した Keystone-SDA

スイス政府は3日の国連人権理事会(HRC、本部・ジュネーブ)で、ドナルド・トランプ米大統領が連邦・州レベルの死刑制度を強化する大統領令に署名したことを「深く懸念している」と表明した。

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スイス外務省平和・人権部のティム・エンダーリン部長はHRCで「死刑制度は人権に反する」と強調した。終身刑とは異なり、死刑制度が犯罪の「抑止効果」を持つという証拠はないと指摘した。

スイスは「死刑制度のない世界の実現」を外交戦略の1つに掲げている。

トランプ大統領は1月の就任後、連邦政府の死刑判決を精力的に執行し、各州に死刑執行に必要な致死注射薬の十分な供給を確保する内容の大統領令外部リンクに署名した。ジョー・バイデン前大統領は連邦による死刑執行を停止し、退任直前には連邦死刑囚40人のうち37人について仮釈放なしの終身刑に減刑した。

トランプ氏の大統領令は、司法長官が「死刑の適用を必要とする重大性のあるすべての犯罪」に対して死刑を求刑すると明記。連邦政府職員が殺害された場合や、不法滞在者による殺人については「他の要因に左右されることなく」死刑を求める。

スイスはHRCで、タジキスタンで基本的自由が侵害されていることについても懸念を示した。市民社会の活動を妨げる法的・行政的措置を非難。タジク当局に対し、国際的な義務を果たすよう求めた。

英語からの翻訳:ムートゥ朋子

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