
スイス中銀、フランの買い手から売り手に転じる 2024年報告書

スイス国立銀行(中央銀行、SNB)が18日発表した年次報告書によると、2024年はフランの「買い手」から「売り手」に転じた。インフレ圧力が緩み、フラン安を食い止める必要性が薄れた。

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報告書外部リンクによると、2024年通年の外貨購入額は12億フラン(約2000億円)だった。これまでに公表された四半期報告書から計算すると、1~9月の購入総額は11億フランに上る。特に7~9月期の購入が多くなっている。10~12月期に購入ペースが鈍化した。
追加利下げか
2023年はフランの「買い手」だった。通年で1239億フラン相当の外貨準備を売り、フラン建て資産に替えた。
当時SNBが外貨準備を減らしたのは、フラン安を食い止め輸入インフレを抑えるためだった。コロナ禍終息やウクライナ戦争の勃発で、世界各国にインフレの波が押し寄せていた。
足元ではインフレ圧力が緩み、物価上昇率は中銀が目標とする0~2%の間に収まっている。このため2024年に主要政策金利を0.5%まで段階的に引き下げた。
エコノミストの間では、SNBが20日の理事会でさらなる利下げに踏み切るとの見方が多くなっている。
英語からの翻訳:ムートゥ朋子

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