スイスで人気のフロアボール

グループリーグで、フィンランドと対戦するスイス代表(赤いユニフォーム)。2019年12月8日、ヌーシャテルで Keystone / Salvatore Di Nolfi

スイス西部ヌーシャテルで女子世界フロアボール選手権大会が開かれ、日本代表は目標の13位で大会を終えた。強豪スイスは準々決勝で快勝。フロアボールはスイス・ドイツ語圏を中心に高い人気を誇る。

このコンテンツは 2019/12/13 08:15

フロアボール発祥の地とされる絶対王者スウェーデン、フィンランド、チェコと並び、スイスは女子フロアボール界のトップ4に鎮座する。世界選手権でも表彰台の常連で、2005年のシンガポール大会で金、銀は2つ、銅は4つと安定の強さを誇る。男子も優勝こそないが、銀1、銅7の実績を持つ。

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国内では3万人

スイスが強豪たるゆえんの1つは、競技人口のすそ野の広さだ。スイスウニホッケー連盟(ドイツ語圏ではウニホッケーと呼ばれる)によると、国内の登録選手数は連盟発足時の1100人(1985年)から2019年には3万3523人に増えた。チーム数は2188を数える。国内はトップのナショナルリーガA、Bを筆頭に下位リーグ、ジュニア、シニアなど、年齢や実力に応じた受け皿が整う。

スウェーデンやチェコなど、腕を磨ける強豪国が近い地の利も大きい。

フロアボールの歴史は長い。連盟によると、体育教師ロルフ・ウィドマーさんが1970年代、アイスホッケーに代わるものとして室内ホッケーのゲームを考案。80年に新聞で紹介され、人気が広がった。

その後、ウィドマーさんの室内ホッケーに現在のフロアボールのルールが取り入れられた。

元々アイスホッケーも盛んなため、似たようなスティックを使うフロアボールは抵抗なく受け入れられている。氷のリンクも高価なプロテクターも必要ない手軽さも人気の理由の1つで、ドイツ語圏では、小学校の体育の授業で習ったという子供も多い。

表面に穴の開いたボール。とても軽いが、シュートが体に当たるとあざができることも © IFF, 2013 Martin Neuzil, All Rights Reserved.

プロ選手はゼロ

しかし、プロで活躍している選手はいない。連盟の広報マリオン・カウフマンさんは「スポーツだけでは生活が成り立たず、ほとんどの選手はフルタイムに近い労働量の仕事をしている。これが選手には負担になっている」という。カウフマンさんは「連盟にとっても課題だが、選手を経済的に支援する措置は今のところない」のが現状だと指摘する。

フロアボール

室内で行う団体競技で、スティックを使ってプラスチック製のボールを相手チームのゴールに入れて得点を競う。1チームはフィールドプレーヤー5人、ゴールキーパーの計6人。室内版アイスホッケーと言えば分かりやすいが、肩と肩以外の体の競り合いが禁止されているなど、「氷上の格闘技」アイスホッケーとはルールがかなり異なる。

手のひらサイズのボールは空洞で、表面に穴が開いている。

コートは40×20メートル。周りは高さ50センチのボードで囲まれている。1試合は20分×3ピリオド。各ピリオド間には10分間の休憩をはさむ。試合中の選手交代は無制限ででき、1分ごとにフィールドプレーヤーが総入れ替えすることも珍しくない。

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日本は発展途上

日本でフロアボール連盟が発足したのは1983年とスウェーデンに次いで古いが、国内の登録選手数は約2500人にとどまる。スウェーデン(約12万人)、フィンランド(約6万人)などとは歴然の差だ。日本女子代表の伊川真彦ヘッドコーチ(36)やベテランの高橋由衣選手(30)は、スティックを使ったスポーツになじみが薄いのに加え、体育館を確保しにくいのが課題だと話す。

日本代表はアジア圏では国際大会優勝など屈指の実力を誇るが、世界選手権では出場16チーム中14位止まり。欧州の強豪には体格や戦術の面で実力が劣る。

日本代表が入ったグループCはデンマーク、ノルウェー、エストニアの強豪ぞろい。今回が8度目の世界選手権となる高橋選手は大会前、「防戦一方になると思う。身体を張って攻撃をしのいで、つかんだワンチャンスを逃さず得点につなげていきたい」と意気込みを語った。

日本女子代表(青いユニフォーム)。4日夜にスイスでRed Ants Rychenberg WinterthurのU-21チームと練習試合をし、3-1で勝った Japan floorball federation

しかし、2009年以来欧州勢に勝ち星がない日本代表は、0勝3敗とグループ最下位に沈んだ。だが順位決定戦でタイを6-3で下すと、12日の最終戦でエストニアに4-3で勝利。目標の13位に食い込んだ。

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世界フロアボール選手権大会

2年に一度開催されるフロアボールの世界選手権で、国際大会としては最も重要。女子は奇数年、男子は偶数年の12月に行われる。2019年の女子大会は、開催国スイスを除く計29カ国が欧州、アジア・オセアニア、アメリカ予選を行い、勝ち上がった15カ国とスイスの計16チームが出場。A-Dの4つの各グループで総当たり戦を行い、頂点を競う。

スイスはフィンランド、ポーランド、ドイツとグループAに入った。日本はグループC(ノルウェー、デンマーク、エストニア)。

スイスは準々決勝にコマを進め、12日にラトビアと対戦。10-4で快勝した。日本は同日の最終戦で、エストニアに4-3で競り勝ち、2009年ぶりに欧州勢から勝ち星をもぎ取った。

決勝は15日。

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