The Swiss voice in the world since 1935

スイス中銀、利上げは2019年半ばか

スイス国立銀行(中央銀行)
市場では、欧州中央銀行が利上げするまでスイス国立銀行(中央銀行)も利上げしないとの見方が多勢を占める © KEYSTONE / GAETAN BALLY

スイスの主要銀行の多くは、スイス国立銀行(中央銀行、SNB)による利上げの時期を2019年3月から半ばと見ている。長期金利は利上げを待たずに上昇するとの見方が多い。

 SNBは中銀預金金利をマイナス0.75%、短期金利の指標となる3カ月物ロンドン銀行間金利(LIBOR)の誘導目標をマイナス1.25~マイナス0.25%に置くマイナス金利政策を採用している。先月15日も「フランは引き続き過大評価されている」ことなどを理由にマイナス金利政策を据え置いた外部リンク。経済紙「フィナンツ・ウント・ヴィアトシャフト外部リンク」が11日、国内銀行6行への金融政策に関するアンケート調査をまとめた。

 クレディ・スイス外部リンクは欧州中央銀行(ECB)の利上げを前提に、SNBが来年3月に利上げするとみる。ただ預金金利はマイナス0.5%、LIBOR誘導目標はマイナス1.0~0.0%と、政策金利は引き続きマイナス圏に置き、ECBより利上げペースを遅くする。19年内にもう一度利上げするとの見方だ。

 一方、UBS外部リンクは18年12月にも利上げに踏み切ると予想する。前提として①スイス経済がフラン高でも堅調②ECBが資産買い入れを終了する③フランの対ユーロ相場が下落傾向を示す、の3点を挙げる。堅調な世界経済を背景に、スイスの18年の経済成長率は2.4%に拡大するが、SNBは金融政策の正常化に慎重姿勢を崩さないとみる。

 ジュリアス・ベア外部リンクチューリヒ州立銀行(ZKB)外部リンクザンクト・ガレン州立銀行(SGKB)外部リンクライフアイゼン外部リンクはSNBの利上げは早くても19年半ばとの見方だ。ZKBのチーフエコノミスト、ダーフィト・マルメット氏は米国でインフレ予想が強まり長期金利が上昇するとみるが、「欧州や日本では特筆すべき物価上昇リスクは生じない」と話す。

Swissinfo.ch/TM

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

バーゼルの路面電車

おすすめの記事

バーゼルで「カラオケ路面電車」走行 欧州歌合戦に合わせ

このコンテンツが公開されたのは、 5月11~17日の欧州国別対抗の音楽祭「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト(ESC)」開催中、バーゼルでは「カラオケ・トラム(路面電車)」が運行する。ビンテージ車両で90分間かけて街を走る間、乗客は無料で歌い踊ることができる。

もっと読む バーゼルで「カラオケ路面電車」走行 欧州歌合戦に合わせ
大阪・関西万博

おすすめの記事

スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール

このコンテンツが公開されたのは、 日本を公式訪問中のスイスのイグナツィオ・カシス外相は22日、2025年大阪・関西万博のスイス・ナショナルデーのオープニングセレモニーに出席し、結束と対話を呼びかけた。

もっと読む スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール
クラウス・シュワブ氏

おすすめの記事

WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任

このコンテンツが公開されたのは、 世界経済フォーラム(WEF)は21日、創設者で会長のクラウス・シュワブ氏が同日付で辞任したと発表した。

もっと読む WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任
コーデリア・ベール

おすすめの記事

TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出

このコンテンツが公開されたのは、 米誌タイムズの「2025年最も影響力のある100人」に、弁護士コーデリア・ベール氏がスイス人女性では唯一ランクインした。ベール氏は気候訴訟で異例の勝訴判決を勝ち取った人物だ。

もっと読む TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出
卵の棚

おすすめの記事

ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ

このコンテンツが公開されたのは、 スイス小売大手のミグロ(Migros)は14日、アッペンツェル・アウサーローデン準州ヘリザウにある1店舗を年中無休化すると発表した。

もっと読む ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部