The Swiss voice in the world since 1935

「双頭のワシのポーズ」シャキリ、シャカらに罰金 FIFA

シャカとシャキリ
ゴールを決めた後、「双頭のワシ」のポーズをしたシャカ(左)とシャキリ Keystone

22日のサッカー・ワールドカップ(W杯)のスイス対セルビア戦で、スイス代表のグラニット・シャカとジェルダン・シャキリがゴールを決めた後にアルバニアの国旗に描かれた「ワシのポーズ」をした問題で、国際サッカー連盟(FIFA)規律委員会は25日、二人とシュテファン・リヒトシュタイナー主将を罰金処分にすると発表した。

 シャカ、シャキリはそれぞれ1万フラン(約110万円)、リヒトシュタイナーは5千フランを支払う。FIFAは3人が「フェアプレーの原則に反する行動を取った」としたが、出場停止処分は見送った。

 スイスは2-1でセルビアに勝利した。27日にはコスタリカと対戦する。

 シャカとシャキリはいずれもアルバニア系の出身。22日の試合では、二人はゴールを決めた後、それぞれ胸の前で手の甲を交差するポーズをし、これがセルビアに対する政治的パフォーマンスだと批判された。

 シャキリは2年前、所属する英ストーク・シティで週8万5千フランを稼いでいると英紙で報じられた。

 スイスサッカー協会(SFV)のペーター・ジリエロン会長は24日、スイス公共放送(SRF)のインタビューで、スポーツの場に本来持ち込んではならない政治的問題が原因でFIFAの調査を受けたのは非常に残念だと語った。

 シャカとシャキリが取った行動は、1990年代のコソボ紛争以降、根深く残るセルビア人とアルバニア人の確執を象徴している。

>>シャカとシャキリのゴールパフォーマンス、スイス各紙が批判  

 試合後、スイス各紙は二人の政治的パフォーマンスを批判。移民が多くを占める代表チームが本当にスイス代表と言えるのかという古い議論にまで火が付いた。

 一方、ギー・パルムラン・スポーツ相とイグナツィオ・カシス外相は、ドイツ語圏の日刊紙NZZ日曜版(24日付)のインタビューで選手たちを擁護。スタジアムで観戦したパルムラン氏は「熱気に包まれた試合を見れば、スイス代表の功績は高く評価されるし、選手が感情を爆発させてしまうのは理解できる」と語った。

 FIFA規律委員会はこのほか、セルビアのファンが「差別的な横断幕とメッセージを掲げた」などとしてセルビアのサッカー協会に5万4千フランの罰金を科した。またシャキリとシャカのゴールパフォーマンスに対して不適切なコメントをしたとして、スラビサ・コケーザ会長とセルビア代表のムラデン・クルスタイッチ監督にそれぞれ5千フランの罰金処分を科した。

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

UBS

おすすめの記事

スイス政府、金融規制改革の最終案を発表

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦内閣は6日、クレディ・スイス危機を踏まえた金融規制改革の最終案を発表した。自己資本規制を強化し、金融監督局の権限も強化する。

もっと読む スイス政府、金融規制改革の最終案を発表
ガザ

おすすめの記事

スイスの元外交官50人、ガザめぐる政府の「沈黙」を非難

このコンテンツが公開されたのは、 パレスチナ自治区ガザにおけるイスラエルの「戦争犯罪」に関して、スイスの元外交官55人がスイス外相に共同書簡を送り、スイスの「沈黙と消極性」を非難した。政府に対して直ちに措置を講じるよう求めた。

もっと読む スイスの元外交官50人、ガザめぐる政府の「沈黙」を非難
軍隊

おすすめの記事

スイスで放射能測定の合同演習 

このコンテンツが公開されたのは、 スイスでは2~6日、国際チームがヘリコプターで空中の放射能測定を行っている。緊急時に広い範囲の放射能を迅速にチェックする予行演習だ。

もっと読む スイスで放射能測定の合同演習 
サルコ

おすすめの記事

自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が死亡

このコンテンツが公開されたのは、 自殺カプセル「サルコ」を運営する自殺ほう助団体「ラストリゾート」共同設立者のフロリアン・ウィレ氏(47)が、先月5日にドイツで死去していたことが分かった。

もっと読む 自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が死亡
土砂崩れ

おすすめの記事

スイス南部で氷河が崩壊 土石流がふもとの村を飲み込む

このコンテンツが公開されたのは、 スイス南部レッチェンタール(ヴァレー州)で28日午後、大きな氷河が崩壊し、大規模な土砂崩れがふもとのブラッテン村を襲った。多数の家屋が倒壊し、1人が行方不明。

もっと読む スイス南部で氷河が崩壊 土石流がふもとの村を飲み込む
標準器

おすすめの記事

スイス、メートル法準拠から150年

このコンテンツが公開されたのは、 スイスは150年前にメートル条約に調印し、メートルやキログラムを導入した。それまでスイスの測定単位は地域や使途によって大きく異なっていた。

もっと読む スイス、メートル法準拠から150年
ハイヒール

おすすめの記事

中国の人身売買組織を摘発 スイス・ベルン州警察

このコンテンツが公開されたのは、 ベルン州警察は19日、大規模な人身取引事件を摘発したとい発表した。容疑者は中国籍の5人で、146人の中国人女性をスイスに誘い出し、性労働に就かせていた。

もっと読む 中国の人身売買組織を摘発 スイス・ベルン州警察

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部