雄大なマッターホルンを背景にしたツェルマット=チェルヴィニアのレースは、アルペンスキーのワールドカップ史上初めて国境を超えた大会になる予定だった
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スイスに本部を置く国際スキー連盟(FIS)は22日、10月29~30日に予定されていたアルペンスキーワールドカップ・男子ダウンヒルのレースは「雪不足とレース場の最終セクションの安全状況により」中止せざるを得ず、代替レースは行わないと発表した。
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男子ダウンヒルのコースとなる「グランベッカ」は、ツェルマットの標高3700メートル地点をスタートし、イタリアのチェルヴィニアの標高2835メートル地点にあるラグ・シーメ・ビアンチェでゴールする全長4キロメートルのコース。大部分は1メートル以上の雪に覆われているが、ここ数週間の温暖な気温のため、ラスト300メートル部分で雪が不足していた。
同レースは、雄大なマッターホルンを背景に、アルペンスキーのワールドカップ史上初の国境を越えた大会となる予定だった。
また同コースで11月5~6日にかけて予定されていた女子ダウンヒル(チェルヴィニア大会)に関しても、25日に雪の状態を検証した結果、中止が決定した*。代替レースは同じく予定されていない。これにより、アルペンスキー史上初の国境越えレース実現の夢は、男女とも完全に打ち砕かれた。
来秋のマッターホルン初回レースを実現すべく、関係者らはすでに動き出しているとのこと。
*本情報は、25日に追記しました。
英語からの翻訳:シュミット一恵
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