サンドラ・クネヒトにとって、料理は芸術だ。特別にバーゼルに運ばせて建てた納屋「クネヒト」で、長年に渡り多くの人々に料理を提供した経験を持つ。クネヒトは香りや味にアイデンティティーを求め、それを地域の歴史や政治と結びつけて考察する。私たちは誰なのか、なぜそうなのか、そして持続可能で平等に生きるためにはどうすべきなのか――。クネヒトはその問いに対する鍵が「食」にあると考える。サンドラ・クネヒト、1968年生まれ、バーゼル・ラント準州のブースを拠点に活動。
Links: My land is your land, 2020 Foto: Eva Kurz. Rechts: Bœuf sous-vide, 2017, Foto: Katharina Lütscher
エレナ・モンテシノスの作品は物議を醸しやすい。だが彼女のアートや学芸員としてのプロジェクトは、いまだ実現されていないものも多い。例えばアナーキスト運動のロゴをプリントした巨大な旗をまとってスイスの駅で小銭を配るというパフォーマンスは取り締まりの対象となった。カイエダーティストでは「UNRELEASED(仮訳:未発表)」と題されたモンテシノス未発表プロジェクト20点が紹介されている。エレナ・モンテシノス、1971年生まれ、ジュネーブを拠点に活動。
Foto: Laurent Guiraud / Elena Montesinos
アイコンの失敗作のようなアンドレアス・ホッホウリの絵画の多くは哀愁を帯びている。人間や人間関係、そしてそのアイデンティティーに興味を持つホッホウリの作品には、社会学や音楽、美術史にまつわるメッセージが込められている。コンピューターの画像プログラムと絵筆を合体させた技法で描く絵画を通し、記号とその文化的背景を探求する。アンドレアス・ホッホウリ、1982年チューリヒ生まれ、ジュネーブを拠点に活動。
Seiten aus dem Cahiers d’Artistes, 2021
マリー・マトゥスが白黒写真に収めたのは、彼女の曾祖母の家だ。所狭しと飾り付けられた部屋の壁のあちこちには、古典絵画のレプリカが掛けられている。写真の日付は1994年になっているが、この技術的なミスは、作品の中で時間と空間の消失に関する哲学的な問いに思いを巡らすマトゥスの心を引き付ける。マリー・マトゥス、1994年トゥールーズ生まれ、バーゼルとジュネーブを拠点に活動。
To See and to Be Seen, 2016 Analoge Fotografien
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