ナビゲーション

ナビゲーションへ

グローバルメニュー

国民投票 若年層に厳しい失業保険改正法案を承認



国民は失業保険改正法案を承認した

国民は失業保険改正法案を承認した

(Keystone)

9月26日に行われた国民投票では、第4回目の失業保険改正法案の是非が国民に問われ、53.4%の賛成率で承認された。投票率は低く35.5 % だった。

また、州別では、バーゼル・シュタット州を除くすべてのドイツ語圏の州が賛成したのに対し、イタリア語圏とフランス語圏の全州が反対した。

ラテン語系の州に失業者多数

 ジュラ州の76%の反対を筆頭に、ヌーシャテル州の67.8%、ジュネーブ州の60.5%など、フランス語圏の5州とイタリア語圏のティチーノ州は、改正法案に反対した。この対立は、ラテン語系の州の方に失業者がより多いためだと見られている。

 また国民投票前のアンケートでも、ドイツ語圏に賛成者が多く、その理由に「失業保険制度をうまく利用して、私腹を肥やす国民が多い」ないしは「反対すれば、失業保険料率がさらに高くなる」といったものが挙げられていた。

約70億フランの赤字

 今回国民に提示された第4回目の失業保険 ( ALV/AC、日本では雇用保険に当たる ) 改正法案は、政府と連邦議会により3月19日にすでに承認されていたものだ。

 金融危機とその後の緩慢な景気回復の中で、2003年に改正された現在の失業保険の公庫は、今年6月の段階で約70億フラン ( 約5959億円 ) の赤字を計上。また、これは失業率が2.5 % で失業者数が約10万人の年に施行されたが、現在、失業率は3.3%でその数は約13万人に増えている。

 こうした状況の中、失業保険の赤字を埋め長期的には黒字に転換させるための政策として、政府と連邦議会は収入の増額と同時に給付額を節約するという2本立ての対策を盛り込んだ改正法案を提示した。ところが、これに反対する左派政党と労働組合が中心にその是非を問うレファレンダムを起こした。

収入の増額と給付額の節約

 改正法案には、収入の増額対策として、失業保険料率を現行の給料総額の2% から2.2%に引き上げることと、年収が12万6000フラン ( 約1000万円 ) から31万5000フラン ( 約2700万円 ) の富裕層は、「互助手段」として給料総額の1%を余分に支払うことが盛り込まれている。

 また、給付額を節約する対策として、1年間の失業保険料の払い込みで失業時に1年半の給付が得られている現在の制度に対し、払い込み期間と給付期間を同じに設定している。

 さらに、25歳以下で子どものいない若年層は、給付期間が現在の400日間から200日間に短縮される。

 給付の始まりを待つ待機期間の延長も盛り込まれており、大学や専門学校などの卒業直後に職に就けない若年層は、最低で120日間給付を待たなければならず、現在認められている例外的な取り扱いも廃止される。

打撃を受ける若年層

 改正法案に対し左派政党や労働組合は、政府は失業者にさらに節約を強いる一方で、金融危機で痛手を受けた銀行最大手UBSなどに公的資金の注入を行ったにもかかわらず、その経営陣が高額のボーナスを受け取っていた事実を挙げ、反対していた。

 一方、右派政党を中心とする賛成側は、「今回の改正案は、収入の増額と給付額を節約するという非常にバランスの取れた法案だ」として、強い支持を表明していた。

 こうした右派政党と左派政党の意見の対立の中、国民は結局第4回改正法案を承認したが、これで最も打撃を受けるのは若年層で、「スイス青年活動会議 ( CSAJ ) 」の代表は
 「若年層を支持するより、失業保険公庫の赤字を埋める対策の議論に国民は同調してしまった。多くの国民が、若者がすぐに職を見つけられると思っているようだが、それは間違っている」
 と語り、少なくとも若年層への生涯教育システムの充実を訴え、またこの結果に対する、政府の具体的な政策を今後検討していきたいと付け加えている。

失業保険改正法案

現在の改正案は2003年の失業率が2.5 % で約10万人の失業者が出た年に行われた。現在失業率は3.3%で、失業者は約13万人に上る。
失業保険公庫は、今年6月の段階で約70億フラン ( 約5959億円 ) の赤字を計上している。
今回の改正案の承認で、年間6億4600万フランの収入の増額と、6億2200万フランの節約で合計約12億フラン ( 約1000億円 ) の年間収入になり、今後およそ15年後に黒字になると見られている。
連邦政府はこの改正案を全面的に支持した。一方、連邦議会では、下院の国民議会で賛成91票、反対64票、また上院の全州議会で、賛成32票、反対12票で承認された。
連邦議会で改正案を否決できなかった反対派の左派政党と労働組合が中心となって、レファレンダムを起こした。
今回の法改正に反対するレファレンダムは「随意のレファレンダム」と呼ばれ、国民の投票率だけで決まり、州の過半数の承認は必要ではない。そのため、国民全体の賛成率53.4 %で承認された。

インフォボックス終わり

swissinfo.ch


リンク

Neuer Inhalt

Horizontal Line


subscription form

この外部リンク先サイトのコンテンツは、当該リンク先サイトの管理者にあるため、アクセシビリティに対応していない可能性があります。

ニュースレターにご登録いただいた方に毎週、トップ記事を無料で配信しています。こちらからご登録ください。

swissinfo.ch

この外部リンク先サイトのコンテンツは、当該リンク先サイトの管理者にあるため、アクセシビリティに対応していない可能性があります。

×