ジュネーブ国際空港のウェブサイトがサイバー攻撃の標的にされたが、業務に影響はなかった
© Keystone / Salvatore Di Nolfi
スイス当局は12日、親ロシア派ハッカー集団がスイスに対するサイバー攻撃を強化していると発表した。政府・議会のほか、ジュネーブ空港など複数の公式サイトもアクセスできなくなった。
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スイスの国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)は12日の声明外部リンクで、スイスの連邦議会や連邦政府など主要な政府系サイトがこの数日、親ロシア派のハッカー集団「NoName」によるDDoS(分散型サービス妨害)攻撃を受けていると発表した。
NCSCは13日、ロイター外部リンクに対しDDoS攻撃の強度が「異常に高い」と述べ、一部の政府サイトはアクセスできない状態が続く可能性があると警告した。
15日には連邦議会でウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領によるビデオ演説が予定されている。ロイターによると、NCSCは「議会は15日の生放送がスムーズに行われるよう全力を尽くしている」としている。
ジュネーブ空港にも攻撃
NoNameはSNS「テレグラム」で犯行声明を発表。スイスがロシアに対するEUの追加制裁に追従したことを理由に、先週スイス議会のウェブサイトにも攻撃したと犯行声明を出した。
13日にはジュネーブ国際空港のサイトも攻撃された。ジュネーブには国連欧州本部など複数の国際機関が集まり、空港は国連に出張する外交官や当局者が多く利用する。
NoNameはSNS「テレグラム」に「ジュネーブ国際空港のウェブサイトはわれわれの攻撃に抵抗しなかった」と投稿。爪を立てるクマの画像を添えた。
同空港は13日朝からウェブサイトがDDoS攻撃の標的になっていたと発表した。航空業務への影響はなかったとしている。
14日朝にはバーゼル市とチューリッヒ市の公式サイトもDDoS攻撃を受けアクセスできなくなった。
英語からの翻訳:ムートゥ朋子
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