The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

スイス政府・議会に親ロ派ハッカーがサイバー攻撃 ゼレンスキー演説控え緊迫

ジュネーブ空港
ジュネーブ国際空港のウェブサイトがサイバー攻撃の標的にされたが、業務に影響はなかった © Keystone / Salvatore Di Nolfi

スイス当局は12日、親ロシア派ハッカー集団がスイスに対するサイバー攻撃を強化していると発表した。政府・議会のほか、ジュネーブ空港など複数の公式サイトもアクセスできなくなった。

スイスの国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)は12日の声明外部リンクで、スイスの連邦議会や連邦政府など主要な政府系サイトがこの数日、親ロシア派のハッカー集団「NoName」によるDDoS(分散型サービス妨害)攻撃を受けていると発表した。

NCSCは13日、ロイター外部リンクに対しDDoS攻撃の強度が「異常に高い」と述べ、一部の政府サイトはアクセスできない状態が続く可能性があると警告した。

15日には連邦議会でウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領によるビデオ演説が予定されている。ロイターによると、NCSCは「議会は15日の生放送がスムーズに行われるよう全力を尽くしている」としている。

ジュネーブ空港にも攻撃

NoNameはSNS「テレグラム」で犯行声明を発表。スイスがロシアに対するEUの追加制裁に追従したことを理由に、先週スイス議会のウェブサイトにも攻撃したと犯行声明を出した。

13日にはジュネーブ国際空港のサイトも攻撃された。ジュネーブには国連欧州本部など複数の国際機関が集まり、空港は国連に出張する外交官や当局者が多く利用する。

NoNameはSNS「テレグラム」に「ジュネーブ国際空港のウェブサイトはわれわれの攻撃に抵抗しなかった」と投稿。爪を立てるクマの画像を添えた。

同空港は13日朝からウェブサイトがDDoS攻撃の標的になっていたと発表した。航空業務への影響はなかったとしている。

14日朝にはバーゼル市とチューリッヒ市の公式サイトもDDoS攻撃を受けアクセスできなくなった。

英語からの翻訳:ムートゥ朋子

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

詐欺を警告するPC画面

おすすめの記事

スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決

このコンテンツが公開されたのは、 スイス銀行を狙った口座乗っ取り事件で、英国で刑事告訴されていた英国人学生(21)に禁固7年の有罪判決が言い渡された。スイス連邦検察庁によると、学生はスイスの銀行顧客から約240万フラン(約4億4000万円)を騙し取った。

もっと読む スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決
オリーブの木

おすすめの記事

温暖化でスイスがオリーブの名産地に?

このコンテンツが公開されたのは、 スイス西部のフランス語圏は温暖化によりオリーブの木を育てやすくなっている。生産者らは2026年には栽培本数が2万本に倍増し、南部のイタリア語圏ティチーノ州を追い抜くと見込む。

もっと読む 温暖化でスイスがオリーブの名産地に?
山肌に描かれた巨大な絵

おすすめの記事

アルプスに新しい巨大地上絵が登場

このコンテンツが公開されたのは、 世界各地で巨大な地上絵を描くアーティストのSAYPE(セイプ)さんが、スイス南部ヴォー州のアルプス山頂に新作を完成させた。

もっと読む アルプスに新しい巨大地上絵が登場
原発

おすすめの記事

スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず

このコンテンツが公開されたのは、 スイス北部デニケン(ソロトゥルン州)のゲスゲン原子力発電所が2カ月近く、発電を停止している。給水配管システムに過負荷がかかっている可能性があり、安全性が証明されるまで発電を再開できていない。

もっと読む スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
セメンヤ

おすすめの記事

欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」

このコンテンツが公開されたのは、 欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。

もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
スイス公共放送協会

おすすめの記事

スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。

もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
財布

おすすめの記事

スイスでは現金のチップが主流

このコンテンツが公開されたのは、 スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。

もっと読む スイスでは現金のチップが主流

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部