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スイス、ウクライナの「和平サミット」を共催へ

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は15日、ベルンでスイスのヴィオラ・アムヘルト大統領と会談した © Keystone / Alessandro Della Valle

スイスのヴィオラ・アムヘルト大統領は15日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とベルンで会談した。その後の記者会見では、首脳級が集まる「和平サミット」をスイスで開催する方針を明らかにした。またウクライナの地雷除去など復興支援を表明した。

アムヘルト氏は、スイスはウクライナの公正で永続的な平和のために努力し続けると述べた。

和平サミットの詳細については、さらに具体案を詰める必要があると語った。連邦外務省が主導役を務める。

欧州の安定

ウクライナは欧州大陸の安定にとって戦略的に重要であり、スイスも復興に注力したい構えだ。

2022年7月にスイスで開催したウクライナ復興会議では、復興に向けた政治的原則を盛り込んだ「ルガーノ宣言」を採択した。2028年までの国際協力の一環として、スイスは15億フランを予算計上している。

復興支援の柱の1つが地雷除去だ。アムヘルト氏は、国民が故郷に戻り農業を再開するためには、地雷のない国土の回復が前提条件となると強調した。

輸出規制の強化を要望

ゼレンスキー大統領は同じ会見で、スイスの対ロシア制裁への賛同や復興・地雷除去の支援、ウクライナとの和平サミット共催に感謝の意を示し、中立国であってもスイスが現実を無視していいわけではないと述べた。

またスイスに対し、人道支援以外の支援も求めた。スイス製電子部品がロシアのミサイルに使われないよう、輸出の管理強化も要請した。

和平サミットにどの国が参加できるかという質問に対し、ゼレンスキー氏は原則としてウクライナの領土保全を認めたすべての国が参加できると答えた。14日にダボスで開催された「平和の公式」国際会議には80を超える国・国際機関が参加したと説明した。

和平プロセスにおける中国の役割について問われると、「すべての文明国がこのプロセスに参加することを望んでいる」と述べ、和平サミットにも中国が出席することを望むと語った。

英語からの翻訳:ムートゥ朋子

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