スイスでは7匹の出産が確認された
Zoo Zürich, Enzo Franchini
専門家によると、スイスでは現在、オオカミの群れが7~9つあるとみられる。1年で個体数も増加した。
このコンテンツが公開されたのは、
関連団体スイスオオカミグループ外部リンクによると、国内で暮らすオオカミの群れは現在少なくとも7つあり、前年の4つよりも増えた。社会化されたオスとメス3匹以上が、一定の縄張りで暮らす集団を群れと定義している。
今回発表された数値は、2019年5月初めから2020年4月の終わりまでの期間が対象。オオカミの群れを少なくとも7つだと想定すると、個体数は60〜70匹に上るとみられる。
群れは、グラウビュンデン州(ズルゼルヴァ、オーバーサクセン、ベヴェリン)、ヴァレー(ヴァリス)州(ヴァル・ダニヴィエ、ヴァル・ダントルモン、シャブレー)、ヴォー州(コル・デュ・マルシェル)に生息する。ベルナーオーバーラント地方と中央スイスにも個々に暮らすオオカミがいる。団体によれば、群れの数は最大9つに上るとみられる。グラウビュンデン州のカランダ山塊とティチーノ州のヴァッレ・モロッビアに暮らす2つの群れについては、詳細は分かっていない。
スイス国内のオオカミ分布図 (Rudel = 群れ, Einzeltiere = 個々に暮らす個体)
Swiss Wolf Group
団体は、7匹の出産を確認した。 3匹はヴァレー州、3匹はグラウビュンデン州、1匹はヴォー州だった。
おすすめの記事
おすすめの記事
オオカミは駆除されるべき存在?
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは毎年4千~6千匹のヒツジが病気、転落、落雷などが原因で死亡している。それに比べ、オオカミに襲われて死亡するヒツジの数は少ない。しかし、スイス南西部のヴァレー州では多くの住民が捕食者駆除地域の開設を求めている。(SRF/swissinfo.ch)
スイスで2016年に飼育されたヒツジの数は約34万匹。このうち389匹がオオカミに襲われて死亡した。
スイスには推定30~35匹のオオカミが生息しているが、現在ヴァレー州では、そのオオカミと並んでクマ、オオヤマネコなどの捕食者を駆除しようとする動きがある。しかし、これらの動物はベルンで締結された国際協定で保護動物に指定されている。オオカミの居場所はないのか?地元住民に話を聞いた。
もっと読む オオカミは駆除されるべき存在?
おすすめの記事
スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
このコンテンツが公開されたのは、
抗生物質の開発に特化するスイスの新興バイオ企業ビオヴェルシス(BioVersys)は2日、日本の塩野義製薬と共同研究・独占ライセンス契約を結んだと発表した。
もっと読む スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
おすすめの記事
スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。
もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
おすすめの記事
スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
このコンテンツが公開されたのは、
米宇宙企業SpaceX(スペースX)が運営する通信衛星「Starlink(スターリンク)」のアンテナ40基をスイス南部の村に設置する計画に対し、反対する声が上がっている。
もっと読む スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
おすすめの記事
スイスでは現金のチップが主流
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。
もっと読む スイスでは現金のチップが主流
おすすめの記事
プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。
もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
おすすめの記事
スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中銀、SNB)は19日、政策金利を0.25%引き下げて0%にすると発表した。
もっと読む スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
おすすめの記事
欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
このコンテンツが公開されたのは、
メディア報道によると、ドイツ、フランス、英国の外相は20日、スイス・ジュネーブでイラン外相と核協議を行う見通しだ。
もっと読む 欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
おすすめの記事
スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス上院は17日、超富裕層の相続に相続税を課し環境保護の財源にする案を否決した。
もっと読む スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
おすすめの記事
見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。
もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
おすすめの記事
ユーロスター、スイスと英国結ぶ直通列車運行へ
このコンテンツが公開されたのは、
英国と大陸欧州をつなぐ高速鉄道ユーロスターは、スイス・ジュネーブとロンドンを結ぶ初の直通列車の運行を計画している。
もっと読む ユーロスター、スイスと英国結ぶ直通列車運行へ
続きを読む
おすすめの記事
動物園は動物にとって良いのか悪いのか?
このコンテンツが公開されたのは、
バーゼル動物園では大型の水族館プロジェクトが、またチューリヒ動物園ではゾウの新施設が公開された。生物をその生息地から切り離して飼育すると言う意味で、「動物園」というコンセプトそのものを批判する声も上がっている。
もっと読む 動物園は動物にとって良いのか悪いのか?
おすすめの記事
スイスで信じられていたオオカミ人間の存在
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの狂気的な魔女狩りは西部から広まったが、18世紀のスイスでは「狼男狩り」も行われていたことを知る人は少ない。アルプスに囲まれた土地での狼人間への信仰は、どのようにして生まれたのか。その歴史を紐解く。
もっと読む スイスで信じられていたオオカミ人間の存在
おすすめの記事
オオカミとヒツジが連立内閣を組む国、スイス
このコンテンツが公開されたのは、
左派から右派まで、すべての主要政党を含む連立内閣。他の国では考えられないような内閣の形がスイスでは数十年前から続いている。この大連立は直接民主制が生んだ結果だ。
もっと読む オオカミとヒツジが連立内閣を組む国、スイス
おすすめの記事
守るべきは羊か観光客か 牧羊犬めぐり揺れるスイスの農村
このコンテンツが公開されたのは、
ゴッタルド峠周辺の山間部では、羊などの群れを守る牧羊犬、ガードドッグがオオカミやクマだけでなく、夏の行楽客にも襲いかかるのではないかという不安が渦巻いている。地域の住民は、特定の地域でガードドッグを禁止する運動に署名した。伝統と観光の共存がかかったこの問題の奥は、幾重にも深く重なる。
もっと読む 守るべきは羊か観光客か 牧羊犬めぐり揺れるスイスの農村
おすすめの記事
スイスの森林、急速な温暖化についていけず
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの森林は急速な温暖化に適応できない可能性があると、専門家たちは危機感を募らせている。そこで国の森林研究者たちは、スイスの平均気温が現在より4度上昇すると予測される2080年に備え、森林の状態を整えようとしている。
もっと読む スイスの森林、急速な温暖化についていけず
おすすめの記事
オオカミの個体数が大幅に増加 家畜への被害懸念も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス狼愛好会は3日、アルプス地区のオオカミの数が昨年から大幅に増え、3割近く増加したという最新調査を発表した。オオカミの個体数は毎年10〜15%程度増えているが、昨年は特に劇的に増加。アルプスに生息するオオカミの生息数が急速に増えている。
もっと読む オオカミの個体数が大幅に増加 家畜への被害懸念も
おすすめの記事
保護か駆除か、オオカミをめぐる対立
このコンテンツが公開されたのは、
8月に入り、グラウビュンデン州カランダのオオカミの群れに、今年生まれたオオカミの子3匹が確認された。森の茂みのあちこちに設置された監視カメラがその姿を捕らえた。3匹以上生まれている可能性もある。これまでに1シーズンで5…
もっと読む 保護か駆除か、オオカミをめぐる対立
おすすめの記事
スイス政府、オオカミ保護の規制緩和を要求
このコンテンツが公開されたのは、
スイスではここ数年、オオカミに殺されるヒツジの数が増加している。 オオカミによる被害を懸念するスイス連邦議会は2010年、オオカミの保護に関して規制緩和を求める動議を採択。今回のスイス政府の決定は連邦議会の要求に従う形…
もっと読む スイス政府、オオカミ保護の規制緩和を要求
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。