スイスでは特別支援を必要とする児童生徒が普通学級に入るケースが増えている
© Keystone / Christian Beutler
スイスで特別支援教育を受ける児童生徒の割合は4.8%で、男子の数は女子のほぼ2倍に上ったことが、連邦統計局の最新の統計で分かった。
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同局が30日に発表した2018~19年の統計によると、義務教育課程(~15、16歳)の児童生徒95万人のうち、特別支援教育を受けているのは約4万2千人だった。
そのうち約半数は普通学級に通い、残りは特別支援学級・学校で特別支援教育のみを受けているという。
特別支援教育を受ける男子生徒の割合は全体の6.1%と、女子生徒の3.3%よりも高い。国籍別では外国人が6.4%と、スイス人の4.1%を上回った。
インクルーシブ教育
同局は「15年ほど前から、特別支援を必要とする児童生徒が普通学級に入るケースが増えている。子供たちはそこで特別な教育支援を受ける」と説明。このため特別支援学校に入る児童生徒が以前より減っているという。
連邦制のスイスでは、教育は州の管轄。このため特別支援教育関連の措置は各州で異なる。特別支援教育を受ける児童生徒の数も、州によって0.4~6.6%と開きがある。
州によっては、特別支援を必要とする子供たちを普通学級に通わせるインクルーシブ教育を取り入れている。
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また同局によると、特別支援学校の9割は都市部か都市部周辺に集中。スタッフの84%は女性だった。
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