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非核三原則見直し、BYDの軽EV、ワンピース… スイスのメディアが報じた日本のニュース

広島・長崎の原爆投下から81年を迎えた日本で、核をめぐる議論が再浮上している
広島・長崎の原爆投下から81年を迎えた日本で、核をめぐる議論が再浮上している Keystone-SDA

スイスの主要報道機関が8月4日~10日に伝えた日本のニュースから、①「被爆国」日本は核兵器に誘惑されている?②「日本の聖域」にBYD襲来③パリのろう人形館に「ONE PIECE」上陸、の3件を要約して紹介します。

「非核三原則」は歴代政権で守られてきたもの、というだけではありません。唯一の戦争被爆国として、日本が核廃絶を訴える際の礎石でもあります。伝統的な平和主義と現実的な防衛政策の間で揺れる日本のジレンマは、中立国スイスの目にも極めて重い問いとして映っているようです。

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「被爆国」日本は核兵器に誘惑されている?

広島・長崎の原爆投下から81年を迎えた日本で、核をめぐる議論が再浮上しています。フランス語圏のスイス公共放送RTSは、「広島と長崎のトラウマがあるにもかかわらず、日本は核兵器に誘惑されている」といった見出しで、唯一の戦争被爆国である日本の指導者層が「核保有」というタブーに踏み込もうとしている現状と、それに抗議する国内の平和主義運動との間の亀裂を報じています。

記事は、広島の平和記念式典において、非核三原則の堅持への明言を避けた高市早苗首相の姿勢に着目。「高市氏の曖昧な立場は、被爆者や日本の平和主義者の間に即座に懸念を引き起こした」と指摘しました。

また、この「曖昧さ」の背景にある具体的な政策論議について、RTSは、「高市氏の支持者は、例えば米国が地域における抑止力の強化を理由に、日本に核兵器を持ち込むことを可能にするなど、(非核三原則の)『持ち込ませず』は見直されるべきだと主張している」と説明しています。

一方で、非核三原則見直し論に危機感を抱く被爆者らの声も伝えています。記事は、高市氏が式典で「非核三原則を堅持している」と話したことについて、被爆者らの「現状を説明しただけで、今後の方向性については何も語っていない」といった懸念を紹介しました。 最後にRTSは、日本における平和主義の源泉を「はだしのゲン」の作者の足跡から紐解き、それが肉体と魂に刻まれた体験に基づく「腹の底からの反核主義」だと表現。核抑止をめぐる政策論の再浮上と、被爆体験に根差した反核意識を照らし合わせ、日本の核をめぐる葛藤を伝えました。

「日本の聖域」にBYD襲来

中国の電気自動車(EV)最大手BYDが、日本市場向けに開発した、軽自動車の電気自動車(EV)「RACCO(ラッコ)」を発表しました。この異例の参入について、スイス・ドイツ語圏の日刊紙NZZは、これまで海外メーカーの侵入を防いできた日本自動車産業の「砦」が崩れ、世界の小型EV市場の勢力図が塗り替えられる可能性を報じています。

同紙はまず、日本の自動車市場において独自の進化を遂げてきた軽自動車の特殊性に注目し、「軽自動車は日本メーカーにとって無敵の領域とみなされていたが、BYDはRACCOでこの要塞を打ち破ろうとしている」と伝えました。

記事は、日本の主要自動車メーカーがこれまで抱いてきた認識の甘さを鋭く突いています。同紙は、「これまでスズキ、ホンダ、日産、トヨタ傘下のダイハツ、三菱自動車は、海外メーカーが日本の軽自動車市場に特化したモデルの開発コストを負担するなどあり得ない、と信じて疑わなかった」と指摘。日本市場のガラパゴス的な閉鎖性を浮き彫りにしました。

日本メーカーが現在直面している防衛戦の危うさについても論じています。同紙は市場の現状を分析し、「国産電気自動車(EV)を優遇するEV補助金(CEV補助金)だけが、辛うじて日本メーカーを救っている」と説明しました。

また記事は、BYDの日本での挑戦を、将来的な欧州市場などへの進出に向けた戦略的な布石として位置づけています。「もしBYDが日本市場でその実力を証明すれば、ライバルを追って海外市場へ進出する可能性がある」

最後に、日本市場の持つ高い質的基準が、皮肉にも中国製EVをさらに強力な競合へと育て上げる逆説的な構造を予測しています。同紙は、「品質に妥協のない顧客層を持つ日本市場で鍛えられ、成熟したアジアの軽自動車は、欧州の小型車セグメントにおいて手ごわい挑戦者となる可能性がある」と結論づけました。

中国製EVの驚異的な躍進は、すでにスイス市場でも現実のものとなっています。スイス・ドイツ語圏の大衆紙ブリックによると、スイスでは2026年にすでに、新車の10台に1台が中国製です。スイスでは、韓国メーカーは市場シェアを失いつつある一方、BYDは急速に成長しています。 

パリのろう人形館に「ワンピース」上陸

パリのろう人形館「グレヴァン美術館」に、日本の漫画「ONE PIECE(ワンピース)」の常設展がオープンしました。日本のアニメ作品としては初。主人公のルフィを含む「麦わらの一味」の等身大の人形10体が展示されています。RTSはこれを、単なるポップカルチャーの海外進出にとどまらない象徴的な出来事として報じています。

制作の舞台裏についてRTSは、「物語の主要登場人物10人が、その外見やキャラクターを忠実に再現するために日本で制作された一方、パリらしいキャバレー風の舞台美術はグレヴァン美術館によって考案された」と説明。さらに、この展示によって、美術館は「若返り」を図り、「『ワンピース』はパリの象徴的な施設の中心に根付くことができる」とし、一過性のブームを超えた文化の定着を伝えています。

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校閲:江藤真理

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