スイス時計産業の中心地で、世界的な建築家ル・コルビュジェの生地としても知られる同国北西部の町ラ・ショー・ド・フォンで24日、暴風が吹き、1人が死亡、約40人が負傷した。
このコンテンツが公開されたのは、
最高時速217キロメートルの突風が吹き荒れ、建物の屋根が飛び、樹木が倒れるなどした。
建物4~5千棟、車両1千台、周辺地域の森林1600ヘクタールが被害を受けた。地元自治体は25日午後の会見で、インフラの修復には最大9千万フラン(約144億円)がかかる見込みだと述べた。
>>ラ・ショー・ド・フォンを襲った暴風被害を写真で見る:
この突風で吹き飛ばされたクレーンの下敷きになり、1人が死亡した。
375人が損壊したがれきの撤去作業に当たった。独語圏のスイス公共放送(SRF)によると、町内の約200世帯が一時停電・断水した。
スイス気象台(メテオ・スイス)によると、風速の最高記録は、1985年にグラールスで観測された190km/h。
気象台は、竜巻というよりダウンバースト(積乱雲などの下部に発生する強い下降気流)のようだとしている。
英語からの翻訳・宇田薫
おすすめの記事
フェデラーの艇庫建設に反対運動 「湖岸への出入りを阻害」
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの元テニス選手、ロジャー・フェデラーさんが計画するチューリッヒ湖畔のボートハウス(艇庫)建設に対し、「人々の湖畔の往来を阻害する」として反対する声が上がっている。
もっと読む フェデラーの艇庫建設に反対運動 「湖岸への出入りを阻害」
おすすめの記事
スイス公共放送協会、次期会長に初の女性トップ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス公共放送協会(SRG SSR)は25日に開いた総会で、次期会長にドイツ語圏スイス公共放送(SRF)で文化部長を務めるジャーナリストのスザンネ・ヴィレ氏(50)を選出した。女性のトップ就任は初めて。
もっと読む スイス公共放送協会、次期会長に初の女性トップ
おすすめの記事
スイス、国立大留学生の学費を3倍に引き上げへ 下院委員会が可決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス下院委員会は連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)と同ローザンヌ校(EPFL)の留学生の学費をスイス人学生の3倍に引き上げる案を可決した。27日に始まる夏期本会議で審議する。
もっと読む スイス、国立大留学生の学費を3倍に引き上げへ 下院委員会が可決
おすすめの記事
FIFA、脱スイスに向け定款改正
このコンテンツが公開されたのは、
国際サッカー連盟(FIFA)は17日、本部をスイス・チューリヒ以外に移せるよう定款を改正した。
もっと読む FIFA、脱スイスに向け定款改正
おすすめの記事
ウクライナ平和サミットの舞台スイス・ビュルゲンシュトック 地元住民は離心
このコンテンツが公開されたのは、
6月15~16日に開催されるウクライナ平和サミットの舞台として、ルツェルン湖を望むホテル「ビュルゲンシュトック・リゾート」が注目を浴びている。かつては庶民も受け入れられる高級リゾートして地元に愛されていたが、近年は事情が違うようだ。
もっと読む ウクライナ平和サミットの舞台スイス・ビュルゲンシュトック 地元住民は離心
おすすめの記事
スイスで花粉症増加 気候変動・大気汚染が背景に
このコンテンツが公開されたのは、
気候変動の影響で、スイスで花粉症患者が増加している。有症率は2割で、経済損失は最大で年間6900億円に上る。
もっと読む スイスで花粉症増加 気候変動・大気汚染が背景に
おすすめの記事
ユーロビジョン、「ノンバイナリー」自認のスイス代表優勝 イスラエル参加に抗議も
このコンテンツが公開されたのは、
欧州国別対抗の音楽祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」の決勝が11日、スウェーデン南部マルメで行われ、「ノンバイナリー」を自認するスイス代表のNemo(24)が優勝した。会場周辺ではイスラエル参加に対する大規模な抗議活動も行われた。
もっと読む ユーロビジョン、「ノンバイナリー」自認のスイス代表優勝 イスラエル参加に抗議も
おすすめの記事
スイス北東部でオーロラ観測
このコンテンツが公開されたのは、
スイス北東部のゼンティス山頂で6日未明、オーロラが観測された。
もっと読む スイス北東部でオーロラ観測
おすすめの記事
ビクトリノックス、刃のないアーミーナイフを開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスアーミーナイフの製造で知られるビクトリノックス社は、世界で広まるナイフ規制強化の波に対応するため、刃のないモデルの開発に取り組んでいる。カール・エルズナー最高経営責任者(CEO)がスイス紙のインタビューで明かした。
もっと読む ビクトリノックス、刃のないアーミーナイフを開発
おすすめの記事
スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦運輸省民間航空局(BAZL/OFAC)が3日発表した2023年の航空安全報告書によると、民間・小型航空機の事故件数は9995件と、前年から24%増加した。
もっと読む スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
続きを読む
おすすめの記事
光る時計文字盤を支えた女性たち
このコンテンツが公開されたのは、
時計産業では近年、放射性物質の利用に関する研究が盛んに行われてきた。しかし、危険な物質に日々触れていた労働者たちについては、まだほとんど知られていない。
もっと読む 光る時計文字盤を支えた女性たち
おすすめの記事
よみがえる、ル・コルビュジエの代表作
このコンテンツが公開されたのは、
しかし、今年6月ついに修復工事が始まり、2年後には1932年当時の姿がよみがえる。また近いうちにユネスコの世界文化遺産にも登録されるという。 ル・コルビュジエが、実はスイスのヌーシャテル州ラ・ショー・ド・フォンに生まれ…
もっと読む よみがえる、ル・コルビュジエの代表作
おすすめの記事
スイスとル・コルビュジエの「遠い」関係
このコンテンツが公開されたのは、
トルコ・イスタンブールで開催されているユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会で17日、東京・上野の国立西洋美術館を含む「ル・コルビュジエの建築作品」が世界文化遺産に登録されると決まった。偉大なアーティストとして世界的に有名なル・コルビュジエだが、出身地のスイスではその名が認められるまで長く時間が掛かった。スイスとル・コルビュジエの関係はどのようなものだったのか。
今日、ル・コルビュジエは国際的に影響を与えたアーティスト、建築家、デザイナーとしてスイス国内でもよく知られる存在だ。現在スイスで発行されている10フラン紙幣には、飾り気の無い黒縁メガネをおでこに上げたル・コルビュジエの肖像が描かれている。
しかし、スイスがル・コルビュジエを20世紀の偉大なアーティストであると認めるまでには、とても長い時間が掛かった。ル・コルビュジエ生誕125周年でスイスインフォが2012年に行った取材に対し、アーティスト・デュオのプロンク&レプロンクは「スイスはアーティストが他の国で有名になってから初めて、その人物を認める」(レプロンク)と語っている。
ル・コルビュジエに関する著書がある作家のニコラ・ヴェルダン氏もこう話す。「スイスは、当時すでに有名だったこの建築家のことを、長い間認めようとはしなかった。だから彼もスイスのことを認めなかった」
ル・コルビュジエのそのような姿勢は、回想録やプライベートで残したメモ書きからもわかるという。「ル・コルビュジエはよく『スイス』を批判や失望の言葉と共に語った。彼の不満はジュネーブの国連欧州本部がある『パレ・デ・ナシオン』の建築プロジェクトが拒否されてからさらに強くなった」(ヴェルダン氏)
ヴェルダン氏はそんなル・コルビュジエを「ミステリアスで謎の多い」人物と表現している。
もっと読む スイスとル・コルビュジエの「遠い」関係
おすすめの記事
スウォッチ・グループの元社員ら、香港企業から賄賂11億円受け取る?
このコンテンツが公開されたのは、
時計ブランド、ティソの元従業員2人と別のスウォッチ・グループ社員の計3人が2008~13年、賄賂として1000万フラン(約11億円)超を香港のサプライヤーから受け取っていた疑惑が浮上している。スイス公共放送が報じた。
もっと読む スウォッチ・グループの元社員ら、香港企業から賄賂11億円受け取る?
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。