ラ・ショー・ド・フォンを襲った暴風雨
© Keystone / Jean-christophe Bott
スイス時計産業の中心地で、世界的な建築家ル・コルビュジェの生地としても知られる同国北西部の町ラ・ショー・ド・フォンで24日、暴風が吹き、1人が死亡、約40人が負傷した。
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最高時速217キロメートルの突風が吹き荒れ、建物の屋根が飛び、樹木が倒れるなどした。
建物4~5千棟、車両1千台、周辺地域の森林1600ヘクタールが被害を受けた。地元自治体は25日午後の会見で、インフラの修復には最大9千万フラン(約144億円)がかかる見込みだと述べた。
>>ラ・ショー・ド・フォンを襲った暴風被害を写真で見る:
この突風で吹き飛ばされたクレーンの下敷きになり、1人が死亡した。
375人が損壊したがれきの撤去作業に当たった。独語圏のスイス公共放送(SRF)によると、町内の約200世帯が一時停電・断水した。
スイス気象台(メテオ・スイス)によると、風速の最高記録は、1985年にグラールスで観測された190km/h。
気象台は、竜巻というよりダウンバースト(積乱雲などの下部に発生する強い下降気流)のようだとしている。
英語からの翻訳・宇田薫
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今日、ル・コルビュジエは国際的に影響を与えたアーティスト、建築家、デザイナーとしてスイス国内でもよく知られる存在だ。現在スイスで発行されている10フラン紙幣には、飾り気の無い黒縁メガネをおでこに上げたル・コルビュジエの肖像が描かれている。
しかし、スイスがル・コルビュジエを20世紀の偉大なアーティストであると認めるまでには、とても長い時間が掛かった。ル・コルビュジエ生誕125周年でスイスインフォが2012年に行った取材に対し、アーティスト・デュオのプロンク&レプロンクは「スイスはアーティストが他の国で有名になってから初めて、その人物を認める」(レプロンク)と語っている。
ル・コルビュジエに関する著書がある作家のニコラ・ヴェルダン氏もこう話す。「スイスは、当時すでに有名だったこの建築家のことを、長い間認めようとはしなかった。だから彼もスイスのことを認めなかった」
ル・コルビュジエのそのような姿勢は、回想録やプライベートで残したメモ書きからもわかるという。「ル・コルビュジエはよく『スイス』を批判や失望の言葉と共に語った。彼の不満はジュネーブの国連欧州本部がある『パレ・デ・ナシオン』の建築プロジェクトが拒否されてからさらに強くなった」(ヴェルダン氏)
ヴェルダン氏はそんなル・コルビュジエを「ミステリアスで謎の多い」人物と表現している。
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