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スイス 銀行守秘義務緩和

顧客情報の砦に風穴

(Keystone)

3月13日、ハンス・ルドルフ・メルツ連邦財務相は記者会見を開き銀行の守秘義務を緩和すると発表した。

スイスは今後、経済協力開発機構 ( OECD ) の納税手続きの基準に従い、各国と交わしている二重課税条約を見直し、他国当局が個々の案件について、具体的な理由をもって銀行顧客の情報を開示するよう要求した場合は、それが納税回避の場合でも、これに応じる方向に動くことになる。

国内顧客に対しては変わらない

 スイスはこれまで、OECDの基準については、一部の項目について保留としていたが、「銀行の守秘義務は脱税行為を助けるものではない」とメルツ財務相は語り、各国と交わしている二重課税条約を見直すことで、外国からのスイスの銀行の守秘義務を解除するようにという要求に応えるという。一方、欧州連合 ( EU ) との「自動的な情報交換」はありえないとメルツ財務相は明言した。

 国内の銀行顧客については、銀行の守秘義務は引き続き有効であり、納税の回避と脱税詐欺行為は異なる扱いとなる。
「銀行の守秘義務はスイスの伝統であり顧客の情報は個人の領域にかかわることだ」
 とメルツ財務相は語った。

 各国との条約改定がなされるプロセスの中で、議会、もしくは国民の意義申し立ての道 ( レファレンダム ) が開かれており、国民投票で否決される可能性も論理的にはある。

 3月12日には、香港とシンガポールに続きリヒテンシュタインとアンドラがOECDの基準を受け入れる準備があると銀行の守秘義務を緩和する動きを示していた。

 メルツ財務相は、これによりスイスの金融界が法的に安定し、国際的な信用を取り戻すであろうと期待している。

swissinfo、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ )

スイスの銀行守秘義務に対する外国からの圧力

2007年3月12日 連邦国民議会が「納税の回避」を民法に載せる提案を否決。
2008年3月19日 ルドルフ・メルツ財務相が外国からの圧力に対し「銀行の守秘義務を死守する」と語る。
10月21日 ドイツ、フランスのほか15カ国が、「租税回避地」をブラックリストに載せると発表。ドイツのペール・シュタインブルック財務相は「アメよりムチを使わなければならない」と語る。
2009年2月2日 欧州連合委員会は、EU加盟国内で銀行の守秘義務を撤廃する決定を下す。オーストリアは今後、守秘義務を継続できないことになった。
2月18日 アメリカ司法省は、UBS銀行のアメリカ人顧客約300人分の情報開示を要求。同時に銀行の守秘義務の撤廃も要求。
2月19日 スイス政府はアメリカ政府に対し、UBSの件は明らかに「脱税詐欺行為」であると認める一方、銀行の守秘義務は守られると再度強調した。
2月25日 ルドルフ・メルツ財務大臣は、「納税回避」と「脱税詐欺行為」は違うと再度明言した。
2月26日 EUは納税問題についてアメリカと同等に扱うようスイスに要求
2月28日 国民党 ( SVP/UDC ) 以外の政党は、銀行の守秘義務については譲歩する必要があると表明。
3月5日 閣僚会議で、OECDの納税基準について、保留条項の取り入れが検討される。
3月8日 オーストリアとルクセンブルクとの協力で納税制度や守秘義務について対外的な協力体制を組むと発表。制裁を伴うEUのブラックリスト掲載に反発。
3月12日 香港、シンガポールに続き、リヒテンシュタインとアンドラがOECD基準に従う意向を発表。
3月13日 スイス政府、OECD基準に従う意向があると発表。

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