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ヘビの毒でアンチ・エイジング

ペンタファームとヘビの長い係わりから生まれたアンチ・エイジングクリームの効果はいかほど?(写真提供:ペンタファーム/Rainer Voegeli)

バーゼルの薬品会社、ペンタファーム(Pentapharm) はこのほど、ヘビの毒の効力を参考にしたアンチ・エイジング(老化防止)用の化粧品商品の原料を開発し、2006年のスイステクノロジー賞にノミネートされた。

人は長生きするようになり、年をとっても元気な人が多い。先進諸国ではいま、アンチ・エイジング商品が売れているが、ペンタファームの原料を使った商品が人気を呼ぶようになるかは、ひたすらその効果にかかってる。

 ヘビの毒は大きく分けて、獲物の血の凝固力を低下させ内出血させて死に至らせるものと、獲物の筋肉を麻痺させるものとがある。ペンタファームは1948年の創立以来、ブラジルなどからヘビの毒を輸入し、血栓に効力のある薬を多数製造してきた。もう一つの性質である、筋肉を麻痺させる作用をアンチ・エイジングの最大の課題であるしわ取りに使えないかと研究を始めたのは今から1年ほど前だった。

人工の毒

 業界異例の最短時間で開発されたSYN-AKEは、ヘビの毒と同じ化学元素を組み合わせて人工的に作ったペプチドをベースとしたペースト。45人が1日2度の頻度で使用してみたところ、顔のしわが52%消えるという結果が出た。目じりのしわでも同等の結果が出たという。これは、ヘビの毒に麻痺効果があり、筋肉が弛緩すると同時にしわも伸びるためで、試験管内でのテストでも濃度05%のSYN-AKEを使うことにより、2時間以内に筋肉の82%が弛緩することが証明されたという。世界のセレブがしわ伸ばしに使っているということで人気になったボトックスに似た効果だ。
 
 本物のヘビの毒を使用することも可能だが、ペンタファームはあえて人工合成による毒を使うことに決めた。理由は「毒がもつ悪いイメージを商品に与えたくなかったため」と副社長のマルクス・レティ氏はいう。さらに「たとえばコラーゲンのような素材は欧米の化粧品メーカーは嫌います。動物が素材になっていることで悪いイメージを消費者に与えるからです」という。

 SYN-AKEを2005年、ドイツであった化粧品メッセで紹介したところ、世界の有名化粧品メーカーから問い合わせがったという。これを使って最終商品となるアンチ・エイジングのクリームが百貨店などに出回るのは今年中とレティ氏は期待する。

アンチ・エイジング・ブーム

 20年ほど前から、肌に対する研究が盛んになり、化粧品の進歩は目覚ましいものがある。以前なら気休め程度にクリームをつけていた消費者も、化粧品に対して目に見える効果を期待するようになってきた。

 現在の化粧品市場のメインストリームは、潤いを与えるモイスチャリング、美白、人工的な日焼け効果、アンチ・エイジングの4つに分かれるが、ペンタファルムは、アンチ・エイジングがより重要な市場と見ているという。「60歳の人が、たとえば50歳代の肌を保ちたいと思うことは、決して恥ずかしいことではありません。化粧品で若返りは無理でも、老化のスピードは遅くできます」とレティ氏。

 リフトアップのような手術をしてまで老化に抵抗するのか、毎朝クリームをつけることで少しでも安心できれば良いと思うのか。程度こそあれ、若いことが美しいという考え方は、洋の東西を問わず変わらなくある。ヘビの人工毒が使われていますといったキャッチフレーズが、どれほど消費を呼ぶかは、ヘビにたぶらかされたエヴァのようにはにならない、しっかりした消費者の目が決め手だ。

swissinfo、 佐藤夕美(さとうゆうみ) 

キーワード

ペンタファルム(本社バーゼル)
従業員 200人
この内25%が研究開発
未上場
主要市場 米国、欧州 
海外では唯一、日本に事務所を持つ

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