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スイスの「シャンパン」いまだ登録かなわず

シャスラ種のブドウから醸造される白ワイン「シャンパン」はその商品名が認められず、3年前から「リブル・シャンプ ( Libre-Champ ) 」として販売されている Keystone

ヴォー州のシャンパーニュ村 ( Champagne ) 産の白ワインは、いまだに「シャンパン」と名乗れない。「シャンパン」はフランスのシャンパーニュ地方で作られる発泡酒に限るという欧州裁判所の判決が、最終決定と言い渡されたためだ。

スイスのワイン生産地もシャンパーニュ。「シャンパン」はフランス産に限るという判決取り消しの訴えは、認められなかった。

 欧州裁判所の最終判決にもかかわらず、シャンパーニュ村のワイン製造者43人は、村のワインが「シャンパン」として認められるよう、いまだにその可能性を探っている。

まだ可能性あり

 代表者のアルベト・バンデレ氏は「これ以上の審議をする必要を認めないという裁判所からの47ページにわたる文書に、かえって鼓舞された」と言う。バンデレ氏によれば、裁判所は「シャンパン」の名称を「再征服する」方法を示してくれたからだ。

 「名前の平等」という人権の観点からまだ戦えるというのだ。このような視点では、いまだに誰からもアプローチされたことはないという。欧州裁判所に訴えるのはスイス政府なのかヴォー州なのか、それともワイン製造者なのかはまだはっきりしないが、10月にはヴォー州の経済相とヨーロッパ法律の専門家がこの問題について検討することになっている。勝訴すれば新たに「シャンパーニュ村のワイン ( Vin de la commune de Champagne )」 というラベルが貼られることになるという。

フランスは強気

 原産地統制呼称の「シャンパン」をめぐるフランスとスイスの争いは、スイスが欧州連合と結んだ2国間条約に端を発する。条約交渉の場でフランスが、「シャンパン」をフランスのシャンパン地方の発泡酒のみに認めることを強く主張した。このためスイスとEUとの交渉全体が難航するほどだった。結局、ヴォー州のワイン製造者は「シャンパーニュのワイン ( Vin de Champagne ) 」いうこれまで使われてきた商標をあきらめたのである。2004年6月1日からこの商標は使われていない。スイスとEUの対立の中心となっているこの白ワイン、現在は「リブル・シャンプ ( Libre-Champ ) 」として売り出されている。

swissinfo、外電 佐藤夕美 ( さとう ゆうみ )

スイスと欧州連合 ( EU ) の2国間条約I ( 1999年 ) の交渉中、フランスは「シャンパン」は原産地統制呼称 ( AOC ) であり、他の商品での使用を認めないと主張。「シャンパン」の名前と空の交通の自由化が、取り引きの材料として使われた。スイスのワイン製造者はスイス航空 ( 当時 ) の利益の前に屈し、「シャンパーニュのワイン」という原産地統制呼称をあきらめた。

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