人口制限案は「犯罪・難民増やす」 スイス政府、国民投票前に反対示す
スイスのベアト・ヤンス司法相は16日、州政府、雇用主、労働組合の代表とともにベルンで記者会見し、6月14日の国民投票にかけられる人口制限案への反対姿勢を改めて示した。可決されれば人手不足を招き、かって治安が悪化するとした。
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ヤンス司法相は連邦内閣(政府)の立場を代表して発言した。国民党(SVP/UDC)が発議した人口制限案は、スイスの繁栄と安全保障、人道主義の伝統を危うくすると主張した。
人口制限案が可決されれば、人口が上限に近づいた場合、スイスは欧州連合(EU)との間で結ぶ移動の自由を破棄しなければならなくなる可能性がある。だがスイスは外国人労働者に大きく依存しており、2022年末時点で国内の全労働人口の3分の1を外国人に頼っている。
ヤンス氏は会見で、人の移動の自由が途絶えればEUとの協力関係が危うくなり、人手不足が深刻化すると警告した。
司法相はシェンゲン・ダブリン協定への参加も危うくなる、と強調した。両協定はEU加盟国と関連国が国境、司法、警察、ビザ、亡命に関する事項において緊密に協力することを取り決めている。
協定から脱退すれば、スイス警察はEUの犯罪データベースへのアクセス権を失うことになる。「必要な情報が欠け、スイス警察は目隠しされた状態で犯罪空間をさまようことになる」(ヤンス氏)
また、スイスに入国した難民を他のEU国に移送することもできなくなるため、スイスで難民申請を処理しなければならなくなり、数億フラン単位の費用負担を強いられると説明した。
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右派・国民党が提唱した「人口1000万人のスイスに反対」イニシアチブは、2050年までにスイスの永住人口を1000万人に制限することを求めている。6月14日の国民投票で可決されれば、政府・議会は人口が950万人を超えた時点(2031年に到達すると見込まれる)で直ちに対策を講じる義を負う。
英語からのGoogle翻訳:ムートゥ朋子
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