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文化

ローザンヌで羽を広げるバレエダンサー

時代の波に乗って観客の眼差しとともに変容してきたバレエ界。イタリアで発祥したバレエは、ロシアやフランスに限らず今や世界中で女の子の習い事として身近になった。世界で活躍するプロを目指しバレエ留学を希望する多くの10代の若手ダンサーは、毎年2月になると、世界各地からスイス西部ローザンヌに集まり、登竜門として知られる「ローザンヌ国際バレエコンクール」に挑む。若手バレエダンサーを取り巻く環境はどのように変貌を遂げつつあるのだろうか?

このコンテンツは 2021/02/06 20:30
Corinna Staffe (イラスト)

2021年のローザンヌ国際バレエコンクールは、新型コロナウイルス感染症の影響で、eコンクールとなった。審査員9人は、参加者自身がバレエスタジオで撮影したビデオを審査し、優れたダンサーを選出した。

西洋舞踏「バレエ」は、近年、韓国や日本、中国でもお稽古事として人気を博す。コンクールも出場者の約半数は東洋人だ。アジア、オセアニア、南米といったバレエが本場でない国出身のダンサーが参加し、ローザンヌの舞台は国際色豊かな若者で賑わう。自国の政府からのバレエ教育助成が不十分だったり、ダンサー資格が取得できなかったりする国出身のダンサーも、プロのバレエダンサーを夢見てコンクール開催地であるローザンヌ・ボーリュ劇場の舞台裏で切磋琢磨する。

今年のコンクールには78人、うち日本人ダンサー10人が出場する。(石川瑛也さんは、けがのため棄権)

活気やエネルギーに溢れる若者たちが、舞台裏でも洗練された動きを演出するため踊りに磨きをかけ、リハーサルを繰り返す。そして、観客を魅了する「美」の表現を追求しつつ、舞台上で緊張と闘う。日ごろの稽古の成果が出せるようにと祈りながら。

斬新な振り付けによって常に様変わりするバレエ界。多様なスタイルに、更に高度な技能が加わると同時に、コンクールの選考ルールも変化してきた。より若い年齢の生徒が世界中で競い合い、コンクール数やその参加者数も増加している。

プロの道に向かって足を踏み出す若手ダンサーは、バレエに対する熱い想いを抱いてコンクールに参加し、経験を広げて将来のキャリアプランを築くチャンスをうかがう。

ダンス市場に見合った幅広い演技や、観客を惹きつける「美」を魅せる動きも必要だ。振付家ゴヨ・モンテロ氏は、コンテンポラリーを踊る時には「何かを伝える動きをすることが大切だ」と説明する。

舞踏美を導き出す一流のダンサーになるためには、厳しい肉体の鍛錬だけでなく、自立した生活態度や、実力を出し切るためのゆったりとした心構えも大切だ。

ローザンヌ国際バレエコンクールは、英ロイヤル・バレエ団のプリンシパルだった吉田都さんや熊川哲也さんらを輩出したことでも知られ、現在活躍中の高田茜さんや平野良一さんも超えた関門。しかし、コンクールで受賞したとしても「まだまだスタート地点。バレエダンサーとしての人生は始まったばかり」と米ヒューストンバレエ団のプリンシパル加治屋百合子さんは話す。プロのバレエダンサーは、「周りのダンサーの良いところを見て学び、吸収して自分のものにする必要がある」という。

ローザンヌ国際バレエコンクール

正式名称はPrix de Lausanne他のサイトへ(プリ・ド・ローザンヌ)で、才能豊かな若いバレエダンサーがプロの道に踏み出すことへのサポートを目的とし、スイス西部のヴォー州ローザンヌで1973年から開催されている。15~18歳の若いダンサーを対象にした世界最高の国際コンクールの一つで、若いダンサーの登竜門とも言われる。現在カンパニーとプロとして契約中、または過去にプロ契約を結んだことのあるダンサーは参加できない。入賞者は、奨学金を受け取り希望するバレエ学校かバレエ団で1年間研修できる。

本選の第49回ローザンヌ国際バレエコンクールは、ビデオ形式で2021年1月31日~2月7日に開催される。2月5日までにファイナリスト20人を選抜し、2月6日に受賞者を発表する。

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