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国勢調査結果発表、変わり行くスイスの人口構成

1990年から2000年の人口増率CH=スイス DE=独 FR=仏 IT=伊 swissinfo.ch

連邦統計局の国勢調査の結果が22日発表された。1990年から2000年の10年間の人口増加率は5.9%で、欧州で最大だった。移民の増加は予想通りだが、その結果イスラム教徒の増加、スイス公用語以外の言語人口の増加など、宗教、言語、年代別人口構成に大きな変化が見られた。

このコンテンツは 2002/01/28 10:27

昨年行われた国勢調査の結果、1990年から2000年の10年間でスイスの総人口は728万人に到達し、10年前の調査よりも5.9%増えた。スイスの90年代の人口増加率は欧州最高だ。人口増加の原因としては、過去10年間では出生が死亡を200、000人上回ったことと、移民の増加の二つが上げられる。

外国人住民の増加と出身国の多様化
人口増加の約半分は、移民が増えたことによる。10年前にはスイス総人口の約18%だった外国人住民は、今では20.8%を占める。が、近年、これら外国人住民の出身国に大きな変動が見られる。40年前には、新たにスイスに入国した外国人住民の85%は近隣諸国の出身者だったが、今では3分の1に減っている。特に、これまでスイス在住外国人コミュニティーで最大だったのは南隣のイタリア人で、70年には全外国人住民の半分以上だったのが、今回の調査では22%まで減少した。イタリア人が激減した原因は、スイスから出て行った人が多かったこともあるが帰化した人も大勢いたためと統計局では見ている(西欧出身者はスイス国籍申請が容易に承認される)。かわって急増しているのはユーゴスラビア出身者で、外国人住民の約4分の1を占める。また、80年代から始まった欧州からの移民の減少は90年代も同様な傾向を見せた反面、欧州以外からの移民は増加しており、80年には6%、90年には10%、そして2000年には13%にまで増えたことが明らかになった。それでも、今回の調査で最も多かったのは西隣のフランス人(54%)で、北隣のドイツ人も19%と、新着移民は減ったものの全体としては相変わらず近隣諸国出身者が多かった。

イスラム教徒の増加
外国人住民の出身国の多様化が進んだ結果として、国内のイスラム教徒が増加した。国民の宗教を調査した結果、最も多いのは今でもキリスト教徒だが、イスラム教徒はこの10年間で152、000人から310、000人に倍増し、スイス第2位の宗教となった。統計局によると、これはトルコ、コソボ、マケドニア、ボスニアからの移民が増えたことが原因だ。また、スイス人イスラム教徒も、10年前の7、700人から今回は40、000人に増加した。これは、イスラム教国出身者のスイス国籍取得と移民2世の誕生によるものと見られる。一方、キリスト教徒の中でも変化が見られ、これまで3番目に多かったローマカトリックが東方正教会よりも少なくなった。

進む多言語化
言語構成にも変化が起きている。1位から3位まではスイス四公用語のうちスイス・ドイツ語、スイス・フランス語、スイス・イタリア語を母国語とする人々だったが、総人口の10%はそれ以外の言語を母国語としている。4位以下は、セルビア=クロアチア語、アルバニア語、ポルトガル語、スペイン語の順で、学校教育の場で第1外国語への改革が検討されている英語人口は8位に過ぎず、トルコ語、クルド語が続いた。一方、公用語の1つロマンシュ語人口は、全体のわずか0.4%だった。スイス公用語以外を話す人々が増えた背景にあるのも、やはり移民の増加だ。また、移民2世の中では、クロアチア人とポルトガル人の5人に3人とスペイン人の80%は、両親の出身国の言語よりもスイスの公用語を日常語としている。

高齢者の割合
移民の増加により、高齢者の全人口に対する割合が減少した。90年から2000年までの10年間で60才以上の人口増加率は1%で、全人口の20%にあたることが明らかになった。スイス人だけの統計では高齢者の割合は増加傾向にあるが、家族連れで移住してくる移民のおかげで20才以下の人口が増加、20才から39才の世代でも外国人が25%を占めることがわかった。また、高齢の外国人住民、特にイタリア人とスペイン人は定年後スイスを離れる人が多く、80才以上の人で外国人が占める割合は20人に1人に過ぎなかった。今の80台の人々は、この世代が生まれた1915年から20年の第一次世界大戦で出生者が少なかったことと、その直後のインフルエンザの大流行で、元々人口が少ない。が、連邦統計局では、このままの人口構成が続くと、2005年までには高齢者は増加し、2015年から35年の間に就労者が激減する(定年退職者が激増)と見積もっている。

州別の人口統計
独語州では、スイス経済の中心地チューリッヒと周辺のツーク、シュビーツ、ツールガウ、アールガウは17%増。仏語州では、フリブールが12.7%増。一方、雇用の悪化が見られるユラとアルプス山岳地帯の各州では減少し、ヌーシャテル、ユラ、ウリ、アッペンツェル=アウターローデスでは全国平均を下回った。

都市と農村
スイス人口の大部分は都市部に居住しているが、人口増加率に関しては、意外なことに村落部の方が都市部よりも高かった。農村部の9.5%に対し、都市部では5.3%だった。農村部での人口が増加した背景には、スイスの都市部の過密化で住宅建設が農村部に拡大されたこと、都市部の高い賃貸料がある。都市の勤務地から30km-40km離れた所に住居を構える人が増えているため、10年前と比べて平均通勤時間が長くなった。

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