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最古の天体観測器具

紀元前16世紀に作られたという世界最古の天体観測器「ナブラ」が呼び物 

(バーゼル歴史博物館 (hmb))

「金細工された天体展」がバーゼル歴史博物館 ( Historisches Museum Basel ) で開催中だ。この展覧会の呼び物は、なんといっても「ナブラ ( Nabra )」 という、世界最古の天体観測器だ。

夜の空に見える月や星を具体的に表し、地球の暦を決める道具として最古のものといわれるナブラは、青銅器時代に作られた。古代のものだが、その複雑さに見学者は目を奪われる。このほかに、スイス製の天体観測器も展示されている。古代からあった人間の天体への興味と執着に感心させられる展覧会だ。

 約3600年前、青銅器時代に作られた天体観測器ナブラは、太陽暦と月暦を合体したもので、太陽が日と年を数え、月が月を数えるという複雑な構造になっている。天体図が銅製の円盤に描かれていて、青銅器時代の人の世界観も表している。地球が円盤で表され、ドームの形をしたのが空だ。

青銅器時代のハイテック

 月が数える1年の日数は太陽のそれより11日短い。この誤差は、暦の上で考慮されるべきところで、ナブラが測る年には、閏月 ( うるうづき ) がきちんとあった。これを使って中央ヨーロッパの人たちは、共通の天体観測を行っていたと1000年後に書かれたバビロニア文書にある。ナブラを研究しているハンブルクのプラネタリウムで働くラルフ・ハンセン氏にとっては、この銅版は当時の天体知識が凝縮された「青銅器時代のハイテク」だ。閏 ( うるう ) という誤差を計算する方法がまだ発見されていなかった時代には、太陽と月の動きの関係を調整する必要があった」とハンセン氏は言う。
 
 また「青銅器時代の中央ヨーロッパ人は、天体を簡素化して表現した丸い銅版のナブラを使って、春や秋の始まりを決めた。当時は、現在わたしたちが使っているような月の名前や曜日などはなかった」とバーゼル歴史博物館のエリアナ・チュディン氏は説明する。天体の様子が銅版の絵柄と同じであれば、春の訪れを意味するという。

盗掘で発見されたナブラ

 展覧会に訪れるほとんどの素人は、ナブラを眺めているだけで多くの疑問が湧いてくるはずだ。天体の様子を具象化したものとして最古のナブラは、考古学、天体学、宗教史などにつながる鍵でもあるというが、さてはて?

 ナブラの重さは約2キログラム、その直径は32センチメートル。豪華な飾りが施された刀や宝石と一緒に、ドイツのミッテルベルク地方のナブラという土地から出土したという。ここは発掘のメッカで、盗掘も頻繁に行われている。ナブラも盗掘により1999年に掘り起こされ、売りに出されていたのが発見された。盗掘のおとり捜査により3年後、売買人がバーゼルのヒルトンホテルで逮捕された。盗掘者と売買人には有罪判決が下ったという、いわく付きの品だ。

 ナブラに関する疑問は展覧会に用意された3本の映画を観て、コンピューターグラフィックによる説明を受けることで、解消できるはずとチュディン氏は言う。じっくりと時間をかけて理解したい1点だ。

スイスの天文学

 ナブラに補足するように、スイスの天体観測器などの展示もある。例えばチューリヒ郊外から出土した紀元前1000年の金の器。太陽、三日月、満月が現されている。もう1つの金の器はトゥールガウ州のエシェンツ ( Eschentz ) から出土したものだ。

 また、デンマークのトゥルンドホルム ( Trundholm ) からは「太陽車」が出展されているほか、天体を崇めるために使われた器具、金の宝飾、武器などもあり、今回の展覧会に対する専門家の評価は高い。

swissinfo、ウルス・マウラー 佐藤夕美 ( さとう ゆうみ ) 意訳

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「金細工された天体」展がバーゼル歴史博物館 ( Historisches Museum Basel) で来年1月27日まで開催されている。

これまでヨーロッパ各地を巡回してきたもので、バーゼルではスイスから出土したものも展示されている。

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