The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

スイス、原発新設を解禁へ 政府対案まとまる

原発の前に建つ警備員
スイスでは原子力発電所の新設が可能になりそうだ Keystone-SDA

スイス連邦政府は20日、原子力発電所の新設解禁を求めるイニシアチブ(国民発議)に応え、解禁を盛り込んだ対案をまとめた。

政府は20日、「すべての人にいつでも電気を:ブラックアウト(全域停電)を止めよ」イニシアチブへの対案をまとめたと発表外部リンクした。イニシアチブは「気候に優しい」全ての発電方法を認めるとスイス連邦憲法に明記する内容。イニシアチブが国民投票で可決されれば、原発の新設が解禁されることになる。

声明で、政府は同イニシアチブに反対の立場をとることを改めて明言した。憲法を改正するのではなく、原子力エネルギー法の改正で原発新設を可能にする間接的対案をまとめた。

来年4月まで同案を利害関係者の意見聴取にかける。イニシアチブ発起人はイニシアチブを撤回して対案を飲むか、イニシアチブを国民投票にかけるかを選択することになる。

スイスは2017年の国民投票で、原子力発電の段階的廃止を可決した。だがロシアのウクライナ侵攻により電力供給が不安定になり、「冬場の電力輸入にはリスクがある」と政府は説明した。

おすすめの記事

目的は、新技術を採用しやすくし、原子力も含んだエネルギー政策の策定だ。ただし再生可能エネルギーを優先する。政府は「原発新設が解禁されれば、再生可能エネルギーが需要を満たせなくなった場合の選択肢として原子力が使える、という利点がある」と説明した。

英語からの翻訳:ムートゥ朋子

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

ひまわり畑

おすすめの記事

見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。

もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
UBS

おすすめの記事

スイス政府、金融規制改革の最終案を発表

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦内閣は6日、クレディ・スイス危機を踏まえた金融規制改革の最終案を発表した。自己資本規制を強化し、金融監督局の権限も強化する。

もっと読む スイス政府、金融規制改革の最終案を発表
ガザ

おすすめの記事

スイスの元外交官50人、ガザめぐる政府の「沈黙」を非難

このコンテンツが公開されたのは、 パレスチナ自治区ガザにおけるイスラエルの「戦争犯罪」に関して、スイスの元外交官55人がスイス外相に共同書簡を送り、スイスの「沈黙と消極性」を非難した。政府に対して直ちに措置を講じるよう求めた。

もっと読む スイスの元外交官50人、ガザめぐる政府の「沈黙」を非難
軍隊

おすすめの記事

スイスで放射能測定の合同演習 

このコンテンツが公開されたのは、 スイスでは2~6日、国際チームがヘリコプターで空中の放射能測定を行っている。緊急時に広い範囲の放射能を迅速にチェックする予行演習だ。

もっと読む スイスで放射能測定の合同演習 
サルコ

おすすめの記事

自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が死亡

このコンテンツが公開されたのは、 自殺カプセル「サルコ」を運営する自殺ほう助団体「ラストリゾート」共同設立者のフロリアン・ウィレ氏(47)が、先月5日にドイツで死去していたことが分かった。

もっと読む 自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が死亡
土砂崩れ

おすすめの記事

スイス南部で氷河が崩壊 土石流がふもとの村を飲み込む

このコンテンツが公開されたのは、 スイス南部レッチェンタール(ヴァレー州)で28日午後、大きな氷河が崩壊し、大規模な土砂崩れがふもとのブラッテン村を襲った。多数の家屋が倒壊し、1人が行方不明。

もっと読む スイス南部で氷河が崩壊 土石流がふもとの村を飲み込む

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部