チューリッヒ州、クロス航空公的資金注入承認
13日に行われたチューリッヒ州の住民投票で、昨年破たんしたスイス航空を引き継ぐ新航空事業体(現クロス航空)に公的資金3億スイスフラン注入が承認された。
クロス航空への資金3億スイスフラン注入は、住民投票の結果、賛成55.5%で可決された。航空評論家ゼップ・モーサー氏は「これで数千人の雇用は短期的には救済されたが、長期的な保障はない。」とswissinfoに語った。モーサー氏は、「クロス航空の1年目の予算は10億スイスフランと推定され、チューリッヒ州の3億スイスフランは1年目に出るであろう赤字を埋めるだけに終るだろう。」と資金注入は赤字の緩和だけに終るとの見方を示した。ルツェルン、グラールス、シャフハウゼン、オブワルデンなどの州は、チューリッヒ州の投票結果を見て航空事業体への支援を決めるとしていたため、航空事業体再建計画は一先ず保証された。
また、チューリッヒ州は、スイス航空の破たん後財政困難に陥っていたチューリッヒ・クローテン空港への1億スイスフランの資金注入も、13日の住民投票で賛成67%で承認した。これについてモーサー氏は「航空事業体と違い空港は国の交通施設の一部だ。空港の維持は、社会的な利益だ。」と評価した。
クロス航空の今後の名称に関しては、14日から始まる役員会で決定される予定だ。現在のところ、「エア・スイス」「マウンテン・エア」などが候補として上がっている。
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