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紛争から文化遺産をどう守る? スイスの国際貢献

歴史的に、武力紛争で危険にさらされる文化財の避難所となってきたジュネーブ。スペイン内戦下の美術品コレクションから目下の戦争に脅かされるウクライナの絵画にいたるまで、スイスは世界中で紛争から文化遺産を保護する重要な役割を果たしてきた。ジュネーブで最近開催された展覧会は、パレスチナ自治区ガザのありし日の姿やガザの文化財を保護するスイスの取り組みに光を当てた。

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ジュネーブ美術・歴史博物館(MAH)で今年2月まで開かれた展覧会「Patrimoine en péril外部リンク(危機に瀕する文化遺産)」は、ガザの豊かな考古学的遺産に触れるまたとない機会だった。武力紛争から文化遺産を保護するハーグ条約(1954年採択)の採択70周年を記念して開催された。2007年から続けられているスイスの支援によりイスラエル・パレスチナ紛争を生き延びた文化財530点のうち44点が展示された。

MAH学芸員のベアトリス・ブランダンさんは、紛争下の文化財保護は美術・博物館の重要な使命だと話す。紛争の激化でガザの文化遺産がますます危険にさらされている今、ジュネーブで展示された青銅器時代からオスマン帝国時代の文化財の重要性は一層高まっている。これらは元々、2007年の展示会のためにジュネーブに持ち込まれたもので、パレスチナ自治政府の所有だ。今もスイスで保管されている事実は、不安定な地域の文化財を本国へ返還する難しさを物語っている。

スイスは世界中で紛争から文化財を保護してきた伝統をもつ。swissinfo.chアラビア語、スペイン語、ロシア語各編集部の記者が、1936~39年のスペイン内戦下の美術コレクションや目下の戦争で危険にさらされているウクライナの絵画についても解説する。

英語からの翻訳:江藤真理、校正:ムートゥ朋子

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