The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

クレディ・スイスに540億円の罰金命令 スパイ事件でも「組織的欠陥」指摘

CS
相次ぎ当局の制裁に直面するクレディ・スイス © Keystone / Christian Beutler

クレディ・スイス銀行(CS)は、モザンビークでの汚職事件に関与したとして米英当局に罰金を科された。また2019年の企業スパイ事件を巡り、スイス当局に組織体質の欠陥を指摘された。

米英当局は19日、モザンビークの汚職事件で贈収賄・詐欺罪に問われたCSに対し、約4億7500万ドル(約540億円)の支払い命令外部リンクを下した。

内訳は米司法省に対し1億7500万ドル、米証券取引委員会(SEC)に9900万ドル、英金融行動監視機構(FCA)に2億ドル。モザンビークに対する2億ドルの債権も放棄する。

CSは2013~16年、モザンビーク政府のマグロ漁事業と海上保安プロジェクトに対して約10億ドルの国債発行や協調融資(シンジケートローン)を引き受けた。このいわゆる「マグロ債」の売上げの多くが、見返りとしてCS行員やモザンビーク政府高官に横流しされた。米英当局は、同行が悪意を持って投資家を誤解させ、米贈収賄法に違反したと指摘した。

米英の決定に対し、CSは声明外部リンクで「手続きが完了したことに満足している」と述べた。同行の欧州子会社はまた、独立した第三者委員会を設置し取引やリスク管理を監視することでスイスの金融市場監督機構(FINMA)と合意したという。

7件の内偵活動

またFINMAは同日、CSで2019年に発生した企業スパイ事件の捜査で「重大な組織的欠陥」を発見したと発表外部リンクした。

同事件ではCSの取締役が同行の雇った探偵に尾行されていたが、FINMAによるとこのほかに国外の元行員や第三者に対するスパイ活動も横行していた。19年のスパイ事件は最終的に当時のティージャン・ティアム最高経営責任者(CEO)の辞任につながった。

FINMAは昨年に開始した捜査の総括として、CSのコーポレートガバナンス(企業統治)に重大な欠陥を発見したと述べた。また7件の「内偵」行為が「非公式かつ妥当な理由なく」実施されたと指摘した。

また個人に対する処分として「2人を書面でけん責し、別の3人に対して執行手続きを開始した」と表明した。個人名は明かされていない。

CSはFINMAの決定を受け、「関連するガバナンスとプロセスを強化する重要な措置を講じた」と述べた。

モザンビークの案件を巡っては、ロンドンの債権者がCSを相手取り民事訴訟を起こしている。ブルームバーグによると、2023年10月に1回目の審理が英高等裁判所で予定されている。


人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

戦闘機

おすすめの記事

スイス、軍事プロジェクトの品質管理を外注へ

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの17件の主要軍事プロジェクトが、2026年初めから外部コンサルタントによる監査対象となる。これにはF-35戦闘機の調達も含まれる。

もっと読む スイス、軍事プロジェクトの品質管理を外注へ
煙の立ち上る原子力発電所

おすすめの記事

スイスの政治

スイス・ゲスゲン原発、再稼働はさらに半年延期

このコンテンツが公開されたのは、 スイス北西部のゲスゲン原子力発電所の運転再開がさらに6カ月間遅れることになった。定期検査が行われた5月下旬以降、発電を停止している。

もっと読む スイス・ゲスゲン原発、再稼働はさらに半年延期
会見に応じるスイスのカシス外相とイタリアの外相

おすすめの記事

スイス、ロシア・ウクライナ首脳会談の「準備は万全」

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦政府のイグナツィオ・カシス外相は19日、ウクライナ情勢を巡る和平交渉について、スイスはロシアとウクライナの首脳会談を開催する「準備は万全」と述べた。

もっと読む スイス、ロシア・ウクライナ首脳会談の「準備は万全」
ドナルド・トランプ大統領

おすすめの記事

世界貿易

トランプ氏、スイス大統領に金銭支払いを要求 関税発表前日の電話会談の詳細が明らかに

このコンテンツが公開されたのは、 スイスに対し39%の関税を発表する前日の7月31日、ドナルド・トランプ大統領がカリン・ケラー・ズッター大統領との電話会談で、米国への「投資」ではなく直接的な金銭支払いを要求していたことが分かった。大衆紙ブリック日曜版が報じた。

もっと読む トランプ氏、スイス大統領に金銭支払いを要求 関税発表前日の電話会談の詳細が明らかに
大西卓哉飛行士

おすすめの記事

宇宙研究

国際宇宙ステーションでロボットが「宝探し」に成功 スイスも貢献

このコンテンツが公開されたのは、 日本製とドイツ製のロボットが、国際宇宙ステーション(ISS)で「宝探し」をして遊んだ。スイス・ルツェルン応用科学芸術大学(HSLU)もこの実験に貢献した。

もっと読む 国際宇宙ステーションでロボットが「宝探し」に成功 スイスも貢献
ジュネーブのトラム

おすすめの記事

気候適応

ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増

このコンテンツが公開されたのは、 ジュネーブ州では13日、バスやトラム(路面電車)など公共交通機関が終日無料となった。オゾン濃度が急増したことへの対応で、スイスでは初めての措置だ。

もっと読む ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部