The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

スイス、税の透明性向上へ法改正

bank
2017年1月以降、スイスは税に関する自動的情報交換制度に加盟している © Keystone / Gaetan Bally

スイス連邦政府は税の自動的情報交換制度を強化するため、法改正案を閣議決定した。

スイス内閣は20日、経済協力開発機構(OECD)の税の透明性と情報交換に関するグローバルフォーラム外部リンク」の勧告を受けた税の自動的情報交換に関する連邦法の改正案を決定した外部リンク。来年の春期議会で審議入りし、2021年初めの施行を目指す。

2017年1月から、スイスは個人や企業の税務情報を提携国と相互に交換している。例えば外国人(経済的な居住地がスイス外にある人)がスイスに持つ銀行口座の情報は1年に1度、国籍国や居住国に送付される。

税の自動的情報交換制度(AIE)と呼ばれるこの制度は、国際的な脱税を防ぐために設けられ、スイスは透明性を欠く国としてブラックリストに載るのを避けるようと加盟した。グローバルフォーラムはスイスの協力体制をチェックし、改善すべき点を勧告した。意見聴取手続きを経て、スイス政府は勧告内容を踏まえた改正案を策定した。

変更点として、AIEの趣旨目的に沿う書類の保管が企業に義務付けられる。スイスの不動産に投資する外国人への監視も強化され、住宅所有者協会の報告免除は撤廃される。一方、非営利組織の銀行口座に対する免除は、意見聴取手続きで猛反対が起こったのを受け、温存される。

おすすめの記事

おすすめの記事

世界で強まる脱税取り締まり スイスの立ち位置は

このコンテンツが公開されたのは、 スイスは長年の伝統だった銀行秘密を放棄し、税の自動的情報交換制度(AIE)に加わった。昨年から国内銀行にある外国人顧客の口座情報を36カ国と交換し、加盟国は今後約100カ国まで増える見通しだ。脱税を取り締まるためのこの枠組みに死角はないのか?

もっと読む 世界で強まる脱税取り締まり スイスの立ち位置は

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

作家のアドルフ・ムシュク氏

おすすめの記事

知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞

このコンテンツが公開されたのは、 ハンス・リンギエ財団は9日チューリヒ在住の作家アドルフ・ムシュグさん(91)に欧州政治文化賞と賞金5万ユーロ(約860万円)を授与した。同賞がスイス人に授与されるのは初めて。

もっと読む 知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞
詐欺を警告するPC画面

おすすめの記事

スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決

このコンテンツが公開されたのは、 スイス銀行を狙った口座乗っ取り事件で、英国で刑事告訴されていた英国人学生(21)に禁固7年の有罪判決が言い渡された。スイス連邦検察庁によると、学生はスイスの銀行顧客から約240万フラン(約4億4000万円)を騙し取った。

もっと読む スイス銀行の顧客を騙した英国人留学生に有罪判決
オリーブの木

おすすめの記事

温暖化でスイスがオリーブの名産地に?

このコンテンツが公開されたのは、 スイス西部のフランス語圏は温暖化によりオリーブの木を育てやすくなっている。生産者らは2026年には栽培本数が2万本に倍増し、南部のイタリア語圏ティチーノ州を追い抜くと見込む。

もっと読む 温暖化でスイスがオリーブの名産地に?
山肌に描かれた巨大な絵

おすすめの記事

アルプスに新しい巨大地上絵が登場

このコンテンツが公開されたのは、 世界各地で巨大な地上絵を描くアーティストのSAYPE(セイプ)さんが、スイス南部ヴォー州のアルプス山頂に新作を完成させた。

もっと読む アルプスに新しい巨大地上絵が登場
原発

おすすめの記事

スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず

このコンテンツが公開されたのは、 スイス北部デニケン(ソロトゥルン州)のゲスゲン原子力発電所が2カ月近く、発電を停止している。給水配管システムに過負荷がかかっている可能性があり、安全性が証明されるまで発電を再開できていない。

もっと読む スイス・ゲスゲン原発、定期検査後に稼働再開できず
セメンヤ

おすすめの記事

欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」

このコンテンツが公開されたのは、 欧州人権裁判所(ECHR)大法廷は10日、スイスが女子陸上五輪金メダリストのキャスター・セメンヤさん(南アフリカ)の権利を侵害したとする2023年の判決を支持した。

もっと読む 欧州人権裁判所、スイスは「セメンヤさんの権利を侵害」
スイス公共放送協会

おすすめの記事

スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。

もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部