営業を再開した施設の4割は、感染予防措置により売り上げが大きく減少した
Keystone / Laurent Gillieron
11日のロックダウン緩和第2弾でレストラン・バーの再開が認められ、3分の2以上の店が営業を再開した。ただ厳しい感染予防措置を守らなければならず、その影響で多くの店は利益のマイナスが避けられないという。
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スイスのホテル・外食業界団体ガストロスイスが11日~18日、会員約3100軒にオンラインで聞き取り調査を実施。その結果、再開後の最初の週で、売上高は昨年の数字より平均60%減だったという。カシミール・プラッツァー会長は「再開した10店舗のうち9店舗は損失が発生する」と見込む。
飲食店は再開にあたり、テーブル同士の間隔を2メートル以上空け、1卓の人数は最大4人までという厳しい感染予防措置を守らなければならない。ガストロスイスは、一部の措置は厳し過ぎ、利益を上げることが難しいと訴える。
また調査によると、飲食店の約40%は、その条件下で営業を続けられるか確信がないと答えた。プラッツァー氏は、感染予防措置を守りながら営業を維持するのは費用対効果が低いため、多くの店が6月に再び休業する可能性があるという。
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調査によると、テーブル間の間隔と1卓最大4人のルールにより、一部施設では座席数を35〜65%減らした。
多くのレストランでは、テーブルとテーブルの間にアクリル板を設置したり、客や従業員用のマスクを用意したりしているが、それらのコスト負担も足かせになっているという。
調査によると、再開理由の多くは「常連客、一般市民、従業員のため」だった。また3分の1が、ロックダウン中に発生した損失を回復するため、市場シェアを維持するためと答えた。
再開しないと決めた店の理由はさまざまで、複数の経営者が、厳格な感染予防措置の下で利益を上げることができないと答えた。
ルールに従う
レストランは政府の公衆衛生ガイドラインをきちんと守っているようだ。ガストロスイスによると、調査に回答した施設の約90%が政府のガイドラインに従い、感染予防措置を実施していた。
感染予防措置を守らず、制裁を受けたレストランはわずか2軒、割合では全体の1%にも満たなかった。
スイス西部・フランス語圏の日曜紙ル・マタン・ディマンシュによると、同地域のレストランを対象に2000件以上の検査が行われた。ヴォー州の警察署長は、ほとんどのレストランがガイドラインに準拠していたと報告した。
ただ現状は州によって異なり、ある州では約40%の施設に改善命令が出されたという。
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