チューリヒ映画祭 ケイト・ブランシェットさんら受賞
第15回チューリヒ映画祭が9月26日~6日開かれ、ダリウス・マーダー監督(米国)の「Sound of Metal他のサイトへ(原題)」が国際長編映画の最優秀賞を受賞した。映画祭には過去最高の11万7千人が訪れた。
各部門の最優秀賞「ゴールデンアイ賞」の受賞者には2万5千フラン(260万円)が贈られる。授賞式は5日夜に開かれた。「Sound of Metal」は、聴覚を失いかけたヘビーメタルバンドのドラマーの物語。米国人映画監督で映画祭審査員を務めたオリバー・ストーン氏は、ストーリーと主人公を演じた英俳優リズ・アーメッドさんの卓越した演技を高く評価。映画は「沈黙と音の相互作用」を巧みに取り入れた作品だとした。
アレクサンダー・ナナウ他のサイトへ監督(ルーマニア)の「Collective(原題)」は、国際ドキュメンタリー部門のゴールデンアイ賞を受賞。同作品は、首都ブカレストのナイトクラブで起きた火災をきっかけとした医療スキャンダルに鋭く切り込んだ。
スイス、ドイツ、オーストリア部門のゴールデンアイ賞は、家族の中に居場所のない9歳の少女を描いた「Systemsprenger他のサイトへ(原題)」(ノラ・フィングシャイト監督、ドイツ)が獲得した。
スイス映画
今回新設されたサイエンス作品部門の最優秀賞は、スイス人監督ニクラウス・ヒルバー氏の「Paradise War: The Story of Bruno Manser他のサイトへ(原題)」が受賞。スイス人熱帯雨林保護活動家ブルーノ・マンサー他のサイトへの生涯に迫った作品で、審査員からは「森林、生物多様性、人権尊重の大切さを訴える抜本的かつ時宜に即した映画」と高い評価を得た。
観客賞は、難民を支援するスイスの一般市民を描いたドキュメンタリー作品「Volunteer by Anna Thommen and Lorenz Nufer他のサイトへ(原題)」(スイス)が獲得した。
映画界に大きな影響を与えた人物に贈られるゴールデン・アイコン賞は、豪女優ケイト・ブランシェットさんが獲得した。映画祭の共同ディレクター、ナジャ・シルドクネヒト氏とカール・スポエッリ氏が「映画業界で最も多才な俳優の1人。多くの忘れられないキャラクターを演じた」と評した。ブランシェットさんは映画祭で上映された主演作品「Where’d you go, Bernadette(原題)」の舞台挨拶も行った。
受賞作品の一覧はこちら他のサイトへ。11日間の期間中、過去最高の11万7千人(前年比11%増)が訪れた。ガラプレミアでは、是枝裕和監督の「真実他のサイトへ」が上映された。

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