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ドイツ・スイス両国籍のマリア・ブレンドル氏(38)が脚本・監督を務めた映画「Ala Kachuu―Take and run(仮題:アラ・カチュー 誘拐結婚)」が今年のアカデミー賞短編実写映画部門にノミネートされた。
38分の同作の舞台はキルギスタン。主人公はアリーナ・トゥルドゥママトヴァ演じる19歳の少女・セジムだ。大学に行くのを夢見ているが、誘拐され、見知らぬ人との結婚を強いられる。セジムに突き付けられた選択肢は2つ。結婚を拒んで村八分になるか、夢を実現するために結婚するか、だ。
▼「Ala Kachuu―Take and run(仮題:アラ・カチュー 誘拐結婚)」予告編
ブレンドル監督は、「アラ・カチュー」と呼ばれる誘拐結婚はキルギスタンでは禁止されているが、他の国々では伝統を装って根付いている、と同作のウェブサイト外部リンクで語った。悲運から逃げられる少女はほんの一握りだという。
「社会的に追放されるのを恐れて、運命を受け入れてしまう人が多い」
ブレンドル氏は、映画を通じて「女性の権利に対する社会の意識を高め、声なき声を世の中に届けたい」と語った。
ドイツ生まれのブレンドル氏はチューリヒ芸術大学卒業。現在はチューリヒに住み制作活動を行っている。
過去30年以上、スイスの俳優や監督はアカデミー賞を受賞していない。1991年に最優秀外国語映画賞を受賞したサヴィアー・コラー監督「ジャーニー・オブ・ホープ」(1991年)が最後だ。
8日発表された短編実写映画賞の最終候補は5本。第94回アカデミー賞は来月27日にハリウッドで発表される。
(英語からの翻訳・ムートゥー朋子)
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