韓国恋愛ドラマの名シーンが生まれたロケ地として脚光を浴びたスイスのイゼルトヴァルト村が、大型観光バスの乗り入れ規制を実施する。アジア諸国を中心に地域の許容を超える観光客が殺到し、静けさを売りにしてきた同自治体は対応を迫られていた。
このコンテンツが公開されたのは、
人口420人の村イゼルトヴァルトでは昨年、韓国やベトナムをはじめとするアジア諸国からの観光客が急増。大型観光バスがひっきりなしに乗り入れたり、駅から村へ向かう区間バスが満員で住民が乗れなかったりと、村の暮らしに影響が出ていた。また、観光客はロケ地となった桟橋での記念撮影を終えるとすぐに去ってしまうため、村にはごみだけが残されるなどの「観光公害」が問題になっていた。
おすすめの記事
おすすめの記事
静寂のオアシスに押し寄せる「愛の不時着」ファン
このコンテンツが公開されたのは、
アジア諸国を中心に一大ブームとなった韓国ドラマ「愛の不時着」のファンが、スイスのロケ地に押し寄せている。ただ静けさを売りに観光客を魅了してきたイゼルトヴァルトでは、思いがけないブームに戸惑いの声も上がっている。
もっと読む 静寂のオアシスに押し寄せる「愛の不時着」ファン
対応を迫られたイゼルトヴァルト自治体は4月、桟橋の入り口にゲートを設置。桟橋で記念撮影をしたい観光客は、入場料として5フラン(約770円)を支払わなければならなくなった。また今月からは、事前予約をして駐車場料金を支払った大型バスのみ、乗り入れ可能とした。SRFによると、村のレストランで食事をしたり、ホテルに宿泊をしたりすると駐車場料金は無料になる。
ペーター・ルビ村長はドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)の取材に応じ「新規の観光客だけでなく、常連客にも質の高い滞在を提供したい」と語った外部リンク。
インターラーケン東駅~イゼルトヴァルト区間のバスを運営するポストバス社は昨年7月から定期的に増便を図り観光客の急増に対応してきた。同社は今月15日、ピーク時には1日当たり最大2千人の観光客が見込まれることから、来月1日に2階建てバスおよび高速ダイヤの導入を開始すると発表。週末には1日最大34便を運行し、混雑の緩和を図る。
おすすめの記事
体験談募集:観光公害に苦しむスイスの人気観光地はどうすべき?
「オーバーツーリズム」に遭遇して嫌な思いをしたことはありますか?こうした問題には、どのような対策をとるのが効果的だと思いますか?
議論を表示する
英語からの翻訳:大野瑠衣子
おすすめの記事
フェデラーの艇庫建設に反対運動 「湖岸への出入りを阻害」
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの元テニス選手、ロジャー・フェデラーさんが計画するチューリッヒ湖畔のボートハウス(艇庫)建設に対し、「人々の湖畔の往来を阻害する」として反対する声が上がっている。
もっと読む フェデラーの艇庫建設に反対運動 「湖岸への出入りを阻害」
おすすめの記事
スイス公共放送協会、次期会長に初の女性トップ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス公共放送協会(SRG SSR)は25日に開いた総会で、次期会長にドイツ語圏スイス公共放送(SRF)で文化部長を務めるジャーナリストのスザンネ・ヴィレ氏(50)を選出した。女性のトップ就任は初めて。
もっと読む スイス公共放送協会、次期会長に初の女性トップ
おすすめの記事
スイス、国立大留学生の学費を3倍に引き上げへ 下院委員会が可決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス下院委員会は連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)と同ローザンヌ校(EPFL)の留学生の学費をスイス人学生の3倍に引き上げる案を可決した。27日に始まる夏期本会議で審議する。
もっと読む スイス、国立大留学生の学費を3倍に引き上げへ 下院委員会が可決
おすすめの記事
FIFA、脱スイスに向け定款改正
このコンテンツが公開されたのは、
国際サッカー連盟(FIFA)は17日、本部をスイス・チューリヒ以外に移せるよう定款を改正した。
もっと読む FIFA、脱スイスに向け定款改正
おすすめの記事
ウクライナ平和サミットの舞台スイス・ビュルゲンシュトック 地元住民は離心
このコンテンツが公開されたのは、
6月15~16日に開催されるウクライナ平和サミットの舞台として、ルツェルン湖を望むホテル「ビュルゲンシュトック・リゾート」が注目を浴びている。かつては庶民も受け入れられる高級リゾートして地元に愛されていたが、近年は事情が違うようだ。
もっと読む ウクライナ平和サミットの舞台スイス・ビュルゲンシュトック 地元住民は離心
おすすめの記事
スイスで花粉症増加 気候変動・大気汚染が背景に
このコンテンツが公開されたのは、
気候変動の影響で、スイスで花粉症患者が増加している。有症率は2割で、経済損失は最大で年間6900億円に上る。
もっと読む スイスで花粉症増加 気候変動・大気汚染が背景に
おすすめの記事
ユーロビジョン、「ノンバイナリー」自認のスイス代表優勝 イスラエル参加に抗議も
このコンテンツが公開されたのは、
欧州国別対抗の音楽祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」の決勝が11日、スウェーデン南部マルメで行われ、「ノンバイナリー」を自認するスイス代表のNemo(24)が優勝した。会場周辺ではイスラエル参加に対する大規模な抗議活動も行われた。
もっと読む ユーロビジョン、「ノンバイナリー」自認のスイス代表優勝 イスラエル参加に抗議も
おすすめの記事
スイス北東部でオーロラ観測
このコンテンツが公開されたのは、
スイス北東部のゼンティス山頂で6日未明、オーロラが観測された。
もっと読む スイス北東部でオーロラ観測
おすすめの記事
ビクトリノックス、刃のないアーミーナイフを開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスアーミーナイフの製造で知られるビクトリノックス社は、世界で広まるナイフ規制強化の波に対応するため、刃のないモデルの開発に取り組んでいる。カール・エルズナー最高経営責任者(CEO)がスイス紙のインタビューで明かした。
もっと読む ビクトリノックス、刃のないアーミーナイフを開発
おすすめの記事
スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦運輸省民間航空局(BAZL/OFAC)が3日発表した2023年の航空安全報告書によると、民間・小型航空機の事故件数は9995件と、前年から24%増加した。
もっと読む スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
続きを読む
おすすめの記事
スイス、中国が解禁した渡航先20カ国の1つに
このコンテンツが公開されたのは、
中国の旅行会社は2月6日以降、世界20カ国を渡航先とする団体旅行を解禁する。新型コロナウイルスの検査が不要なスイスは、欧州で2カ国しか選ばれなかった渡航先の1つだ。
もっと読む スイス、中国が解禁した渡航先20カ国の1つに
おすすめの記事
スイスのアグリツーリズム、収益振るわず
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの8月1日の建国記念日は、農業と観光を結びつけるアグリツーリズムの書き入れ時だ。農場でのブランチ会やロバの乗馬体験、改造した納屋での寝泊まりは年々人気を高めている。しかしスイスの大学が行った最近の調査で、こうしたアグリツーリズムは、農業部門にあまり増益をもたらしていないことが分かった。
もっと読む スイスのアグリツーリズム、収益振るわず
おすすめの記事
静寂のオアシスに押し寄せる「愛の不時着」ファン
このコンテンツが公開されたのは、
アジア諸国を中心に一大ブームとなった韓国ドラマ「愛の不時着」のファンが、スイスのロケ地に押し寄せている。ただ静けさを売りに観光客を魅了してきたイゼルトヴァルトでは、思いがけないブームに戸惑いの声も上がっている。
もっと読む 静寂のオアシスに押し寄せる「愛の不時着」ファン
おすすめの記事
スイスにやってきた1万2千人の中国人団体観光客はどんな人たち?
このコンテンツが公開されたのは、
スイス史上最大規模の観光団体が中国から押し寄せている。ツアーを主催した米ジュネス・グローバルはなぜこんな大盤振る舞いが可能なのか。ツアー参加者にとって何が魅力なのか。ツアー客に突撃取材した。
もっと読む スイスにやってきた1万2千人の中国人団体観光客はどんな人たち?
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。