昨年のキャンペーンで、若者代表と政治問題について意見を交わすクリスティアン・イマーク議員
Keystone
「女性の兵役義務化を」「男女の所得格差を解消して」―。スイスの政治に対し、国内各地の若者から300件に上る要望が集まっている。若者の政治参加を促進する全国キャンペーンの一環で、そのうち14件は実際に連邦議会で取り上げられるという。
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「チェンジ・スイス」と題したこのキャンペーンは、若者の政治参加を支援する非営利団体「スイス青年議会連絡協議会(DSJ)外部リンク」が主催。4月1日まで行われる。同団体によると、キャンペーンが始まった先月19日以降、オンラインプラットフォームを通じて約300件の要望が寄せられた。
要望の中には長期の父親の育児休暇制度の新設、女性の兵役導入のほか、男女の所得格差解消を求めるものもあった。
オンラインで参加を簡単
協議会のマウルス・ブルメンタール会長は以前、スイスインフォの取材に対し、オンラインプラットフォームに意見を書き込めば済むこのキャンペーンは、多くの若者の参加を見込めると語っていた。これまでは、議会に要望があるときは文書を送付するのが一般的だった。
キャンペーンが終わり次第、14人の若手現職議員がそれぞれ一つずつ提案を選ぶ。3週間におよぶ連邦議会会期中の6月11日には若者と直接、これらの提案について議論を交わす。
昨年も同様のキャンペーンが行われ、700件の要望が集まった。
スイス青年議会連絡協議会はスイスと隣国リヒテンシュタインの議会議員ら48人で構成。過去には、若者の政治参加と政治家育成を促進するため、連邦青年議会の設立を求めたこともある。
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