The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

スイスで花粉の飛散量が過去最高 アレルギーも増加

ウーリ州にある草地。スイスの一部地域では花粉症が猛威を振るっている
ウーリ州にある草地。スイスの一部地域では花粉症が猛威を振るっている © Keystone / Gaetan Bally

国内の一部地域で花粉の飛散量が過去最高を記録する中、花粉症などのアレルギー治療のため病院にかかるケースも増えているという。

仏語圏のスイス公共放送ラジオ(RTS)が5日報じたところによると、温暖で乾燥し、やや風が強い天候が続いていることが花粉の飛散量が多い主な理由だ。

スイス気象台(メテオ・スイス)の専門家は「今はちょうど(花粉症の原因となる)草が茂る季節の真っただ中にいる。6月がピークだ」とRTSに語った。「この時期に晴れて乾燥した天候が重なると、花粉の拡散が増える」

仏語圏の日刊紙トリビューン・ド・ジュネーブは3日、ジュネーブ大学病院における関連アレルギーの診察件数が、2022年に比べ20~30%多いと報じた。

一方、ローザンヌ大学病院のヤニク・ミュラー氏はRTSに対し、この数字は診察件数の急増を否定するものではないが、結論を出すには具体性に欠ける、と述べた。

同氏は「私が知る限り、スイスでこの件に関する研究が最後に行われたのは20年以上前だ。花粉症の患者が増えていることを裏付ける数字はないと思う。これらはあくまで印象であり、詳細な調査が必要だ」とした。

スイスアレルギーセンターによると、国内では5人に1人が花粉症を持つとされる(100年前は100人に1人)。

長引く花粉の飛散

原因は様々だ。チューリヒ大学病院のペーター・シュミット氏は5日、イタリア語圏のスイス公共放送ラジオ(RSI)に対し、花粉の飛散時期が長引いていると指摘。その期間はクリスマスから10月までだと言い、「現在のチューリヒがそうだが、雨不足により花粉飛散濃度も高くなっている」とした。

同氏はまた、スモッグや高温、人間の衛生状態の改善により、よりアレルギーを引き起こしやすくなっていると指摘した。

英語からの翻訳・宇田薫

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

会見に応じるスイスのカシス外相とイタリアの外相

おすすめの記事

スイス、ロシア・ウクライナ首脳会談の「準備は万全」

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦政府のイグナツィオ・カシス外相は19日、ウクライナ情勢を巡る和平交渉について、スイスはロシアとウクライナの首脳会談を開催する「準備は万全」と述べた。

もっと読む スイス、ロシア・ウクライナ首脳会談の「準備は万全」
ドナルド・トランプ大統領

おすすめの記事

世界貿易

トランプ氏、スイス大統領に金銭支払いを要求 関税発表前日の電話会談の詳細が明らかに

このコンテンツが公開されたのは、 スイスに対し39%の関税を発表する前日の7月31日、ドナルド・トランプ大統領がカリン・ケラー・ズッター大統領との電話会談で、米国への「投資」ではなく直接的な金銭支払いを要求していたことが分かった。大衆紙ブリック日曜版が報じた。

もっと読む トランプ氏、スイス大統領に金銭支払いを要求 関税発表前日の電話会談の詳細が明らかに
大西卓哉飛行士

おすすめの記事

宇宙研究

国際宇宙ステーションでロボットが「宝探し」に成功 スイスも貢献

このコンテンツが公開されたのは、 日本製とドイツ製のロボットが、国際宇宙ステーション(ISS)で「宝探し」をして遊んだ。スイス・ルツェルン応用科学芸術大学(HSLU)もこの実験に貢献した。

もっと読む 国際宇宙ステーションでロボットが「宝探し」に成功 スイスも貢献
ジュネーブのトラム

おすすめの記事

気候適応

ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増

このコンテンツが公開されたのは、 ジュネーブ州では13日、バスやトラム(路面電車)など公共交通機関が終日無料となった。オゾン濃度が急増したことへの対応で、スイスでは初めての措置だ。

もっと読む ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増
湖に飛び込もうとする男性の後ろ姿

おすすめの記事

スイスで記録的暑さ 政府が警告

このコンテンツが公開されたのは、 スイスで全国的に気温が上昇し、猛暑への警戒が強まっている。11日にはスイス西部と南部ティチーノ州の一部地域に対し、熱中症など健康被害を受けるリスクが大きい「危険度3」の警報が発令された。

もっと読む スイスで記録的暑さ 政府が警告
作家のアドルフ・ムシュク氏

おすすめの記事

文化

知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞

このコンテンツが公開されたのは、 ハンス・リンギエ財団は9日チューリヒ在住の作家アドルフ・ムシュグさん(91)に欧州政治文化賞と賞金5万ユーロ(約860万円)を授与した。同賞がスイス人に授与されるのは初めて。

もっと読む 知日スイス人作家のアドルフ・ムシュクさん、欧州政治文化賞を受賞

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部